全国一律休校要請の報道を受け、対応を話し合う福井県教委の職員=2月27日午後7時20分ごろ、福井県庁

 「時間がない」「情報がない」「入試や卒業式はどうなるのか」―。2月27日夜、安倍晋三首相による全国一律休校の要請がニュース速報で伝えられると、福井県内の教育関係者に驚きと困惑が広がった。県立高は3月5、6日に一般入試を控え、各校は卒業式などの感染対策に頭を悩ませているさなかの突然の表明。現場の教師からは「パフォーマンスにしか見えない」と憤りの声も聞かれた。

 「何も情報がない」。安倍首相の発言後、数時間たっても文部科学省の通知は届かず、県教委の職員の一人は言葉が続かない。19日には高校入試、25日には卒業式や入学式に関する対応について通知が出たばかり。「毎日毎日変わりすぎる。どんな問題点があるのか落ち着いて考えないと」。別の一人は「要請と言いつつほぼ強制。要請に反した場合に感染者が出たら…」と思いを巡らせた。

 豊北欽一県教育長は、28日朝に各課長会議を開くことを決め「文科省の通知の内容を見極めた上で、現場の声も聞きながらよく検討したい」。県私立中学高校協会の荻原昭人会長は「2日から休校は現実的に難しい。冷静に情報収集し、各私立校や公立校とも足並みをそろえて対応していきたい」と話した。

 丹南地域の小学校校長は「28日しか対応を考える時間がない。もう1日早ければ慌てずに済んだのに」と漏らした。インフルエンザで学校や学級が閉鎖になったときは毎日児童に連絡しており、同様の対応が想定されるという。「長期休みの間、家庭に全てお任せというわけにはいかない」

 荷物を持ち帰るための手提げ袋を持参するよう、保護者に連絡した小学校もあった。福井市教委や坂井市教委は国や県の通知などを踏まえて対応策を検討するとしている。敦賀市教委はスクールバスや給食の停止に関する問い合わせに追われた。

 「家庭や地域に責任転嫁しただけ。現場のことを理解しているとは思えずパフォーマンスにしかみえない」と話したのは中学3年担任の20代教諭。2日からの授業は高校入試の直前対策に充てる予定だったといい「一番の被害者は子どもたち」と憤った。

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