新型コロナウイルスの国内流行に備える政府の基本方針について記者会見する加藤厚労相=2月25日午後、厚労省

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世の中には自粛ムードが漂う。歓送迎会シーズンを前に、飲食店ではキャンセルが相次ぎ、普段より人出が少ない繁華街。国は「不要不急の集まり」を避けるよう呼び掛けるが、線引きがはっきりしないと、困惑の声も上がる。

 大阪市中央区のビジネス街にある居酒屋では、30人前後の歓送迎会の予約が既に3割減少。オーナーの男性(54)は「直前になって『会社から自粛要請が出た』とキャンセルされたことも。全く先が読めない」と嘆く。「会社内での開催に変更するところもあるようなので、持ち帰りのオードブルを勧めるなど、売り上げが減らない手だてを考えたい」と話した。

 感染者が急増している札幌市。繁華街・ススキノは客足もまばらで、ジンギスカン店の店長は「道外からの日本人団体客からキャンセルが出ている。収益に大きな影響はないが、いつまで続くのか」と不安げだった。

 一方で、どの程度まで人混みを避ければいいのか、戸惑う人も多い。同市厚別区の会社員望月大輔さん(41)は「会社の懇親会も取引先回りもコミュニケーション上必要だからやっている。国は、例をはっきり示すべきだ」と指摘する。

 東京・銀座で知人と待ち合わせをしていた男性会社員(43)は「飲み会も少なく、仕事以外であまり出歩かないので『不要不急』と言われてもピンとこなかった」と首をかしげる。ただ勤め先では、感染拡大を受けて面談をテレビ電話に変えたという。
 

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