福井県小浜市教委が作った拉致問題へ理解を深める教材「ブルーリボンに願いを込めて」

 北朝鮮による拉致問題への関心を高めて風化を防ごうと、福井県小浜市教委は拉致被害者、地村保志さん(64)=小浜市=のインタビューをまとめた学習教材を作った。拉致された当時の生々しい状況や、解決に向けた思いを収録しており、2020年度から中学3年生の授業で活用する。

 地村さん夫妻ら拉致被害者5人が帰国した02年以降に生まれ、拉致問題を知らない年代が増えた。子どもたちと若い教員が正しく理解を深める必要があるとして、市教委は拉致問題理解教育全体計画を今月まとめた。教材作成は計画の一環。拉致被害者救出活動のシンボルにちなみ、「ブルーリボンに願いを込めて」と名付けた。A4判フルカラーで14ページ。350部作った。

 「振り向きざまに口をふさがれ、手錠をかけられた」「自分は殺される。海に捨てられる。そう思った」などと拉致の様子を詳しく描写している。北朝鮮での暮らし、帰国したときの思いなど、市職員が昨年9月にインタビューした内容をまとめた。関連する年表も掲載している。

 地村さんは2年前から、市内外の小中学校で拉致問題を伝える啓発講座を開いている。計画によると、中学3年生はこの講座を受講する。教材には、その時の感想や拉致問題について学んだことを書くページもあり、人権問題について自発的に考えてもらう。

 計画では▽拉致問題に関心を持ち、重大な人権侵害問題であることを理解する▽拉致問題を主体的に考え、解決に向け身近な問題から行動していく-を目標に設定。学校教育の中で、小学1年~中学3年の人権意識を高めていく。中学3年に加えて小学6年を重点学年とし、拉致問題を取り扱ったアニメDVD教材「めぐみ」を視聴。児童、生徒の指導のため、教員研修を充実させる。

 松崎晃治小浜市長は「若年層に拉致問題への関心を高めてもらい、早期解決の一助になれば」と話した。

関連記事