3年半前に右肩が痛くて受診し、「リウマチ性多発筋痛症」と診断されました。ステロイド内服薬を1日1回服用しています。関節炎の程度を表す値(採血のCRP)は下がりましたが痛みは取れず、左肩も痛くなってきました。治らないのか、ほかに原因があるのか教えてください。(福井県、80代男性)

 【お答えします】尾島朋宏・福井総合病院リウマチ科部長整形外科医師

 ■ステロイド剤は有効、副作用には注意

 「リウマチ性多発筋痛症」を発症すると、首から肩、腰から足の筋肉痛が2週間以上持続します。朝のこわばりや発熱、血液検査で炎症反応を認めるため「関節リウマチ」と症状が似ていますが、リウマチ因子という採血項目は通常陰性で、痛い場所の中心が筋肉と関節で違っており、両者は区別されています。

 また発症初期は感染症とも区別がつきにくいです。高齢者の発症が多く、対処が遅れると食欲、体力の低下を生じるため早期診断、積極的治療が非常に重要です。なお悪性腫瘍や目の病変を合併することがあり、除外診断が必要です。

 治療はステロイド剤の内服が中心で、非常に良く効きます。症状が安定したらステロイドを減量していきますが、完全に中止できる人と、症状が持続するためステロイドを継続せざるを得ない人がいます。ステロイドは長期間内服すると副作用が目立ってきます。糖尿病、高血圧、骨粗しょう症、感染症などは特に注意が必要です。割合は高くありませんが、ステロイド減量が困難な難治性の患者さんに対し、関節リウマチの治療に使用する生物学的製剤を考慮する場合があります。

 ■エコー検査がおすすめ、病状に応じた追加治療を

 相談者は肩の痛みが中心で、ステロイド投与で改善しないとのこと。炎症反応(CRP値)はだいぶ改善していますが、少し残存しています。ステロイドの投与量は分かりませんが、リウマチ性多発筋痛症の炎症のためなのか、腱板(けんばん)断裂など他の整形外科的疾患なのか、区別する必要があります。

 その区別のため、従来のMRI検査のほか、最近は超音波検査(エコー検査)が用いられるようになってきました。MRIは詳細に病変が観察できる半面、予約が必要でやや高価です。その点エコー検査は、機械さえあれば外来で検査が可能で、現状把握の大きな参考になると思われます。

 リウマチ性多発筋痛症の症状、もしくは関節リウマチの合併(このようなケースも少なくありません)の場合は、薬物治療を考え直します。リウマチ性多発筋痛症の症状ではなく、肩関節自体の問題と診断できれば、他の消炎鎮痛剤、リハビリ、関節注射、手術などを症状とご希望に応じて考えます。いずれかの検査を担当の医師にお願いしてみてはいかがでしょうか。

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