北京市内の市場でマスクを着用する買い物客ら=2月20日、北京(共同)

 肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの対策を中国の習近平指導部が本格化させてから2月20日で1カ月たった。当局は国民の移動制限や企業活動の停止といった強制措置で封じ込めを図ってきた。ただ初動の遅れが響いて湖北省を中心に深刻な状況が続き、終息は見通せない。

 中国政府は20日、中国本土で19日に新たに増えた感染者は394人で計7万4千人超になり、死者は計2118人となったと発表した。1日当たりの感染者の増加数が千人を切るのは1月26日以来だが、中国政府が2月19日に公表した感染確定の診断基準の改定が影響した可能性がある。

 中国当局は1月20日、習国家主席が新型肺炎を「全力で予防、制圧する」よう指示を出したとして対策を本格始動させた。23日には湖北省武漢市から外部への感染拡大を封じ込めようと、列車や航空便を止めて市外との交通を遮断した。

 24日に始まった春節(旧正月)の大型連休で30億人規模の移動が見込まれたため、交通規制や外出制限を各地へ拡大。企業の休業や在宅勤務も各地で続いている。

 武漢市では昨年末までに「原因不明の肺炎」の発生が判明していたものの、1月中旬でも多くの市民が「感染は収まった」と思い込んでいた。1月20日時点で政府が公表していた中国本土の感染者は武漢市を中心に計200人余り。だが政府系研究機関によると、実際には6千人以上が発症していた。

 政府の対策始動にもかかわらず1月末までに感染者は本土全域の1万人超に増加。湖北省以外に広東省、浙江省や北京市、重慶市などを中心に急増した。

 国営メディアによると、武漢市では「野戦病院」方式の臨時病院をこれまでに10カ所以上開設したが、まだ増設作業を続けており、病床が足りていない。周辺都市でも治療態勢が整っていない。習指導部は「湖北省で勝てば全国で勝てる」と呼び掛け、抑え込みに必死だ。

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