北陸新幹線開業による経済効果(直接効果)

 日本政策投資銀行北陸支店(石川県金沢市)は2月18日、北陸新幹線の敦賀開業による福井県への経済波及効果が年間約309億円に上るとのリポートを発表した。観光とビジネスによる入り込み客数は首都圏から年間約71万3千人、関西圏から同約7万2千人の計約78万5千人増えると試算した。

 国土交通省による全国幹線旅客純流動調査や地域ブランド調査などの指標を組み合わせ、入り込み客数を推計するモデル式を構築。それによると首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)からはビジネスで年間約35万9千人、観光で同約35万5千人、関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県)からはビジネスで同約3万2千人、観光で同約3万9千人の増加が見込めるとした。

 経済波及効果は、旅行客が支払う飲食費や宿泊費などの直接効果として、ビジネスで約91億円、観光で約100億円の年間計約191億円と試算。さらに間接効果として、土産物の生産や宿泊サービスの提供に伴う原材料の生産で年間約71億円、サービスなど就業者の所得水準が上がり、消費が増えることに伴う効果を年間約48億円とした。

 これとは別にインバウンド(訪日外国人客)による経済波及効果も試算。北陸新幹線金沢開業後の石川県内のインバウンド増加数を参考に、福井県では年間約7万5千人増えるとし、経済波及効果は約32億円と見込んでいる。

 日本政策投資銀行北陸支店が金沢開業前の2013年に行った石川、富山両県の経済効果調査では、石川県で約124億円、富山県で約88億円と試算。開業後の調査では石川県は約678億円、富山県は約304億円と大幅に上方修正した。調査の基となっている数値などが異なるため単純に比較できないが、福井県の経済波及効果に関しても309億円から膨らむことが期待できるとしている。

 石川、富山両県の調査では、観光の経済効果がビジネスを大きく上回ったのに対し、福井県は観光とビジネスが同程度にとどまる点が特徴となっている。同支店は「福井県の観光拠点は周辺部に点在しているため、2次交通の充実や宿泊施設の魅力向上によって、広域周遊・滞在日数の延長につなげ、消費単価向上を目指すことが大切」としている。

 また、教育水準や共働き率の高さといった暮らしやすい環境を生かし、若年層がUターンしたくなる地域産業の振興、新産業創出に向けた積極的取り組みが求められると提言している。

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