和歌山県在住の新型コロナウイルス感染者

 和歌山県湯浅町の済生会有田病院で50代の男性外科医の新型コロナウイルス感染が確認された2月13日以降、感染者は12人に膨らんだ。この地域へのウイルス流入の経緯は依然として不明。県は封じ込めに向け検査や感染者が接触した人たちの動向調査を進めるが、終了は見通せないのが現状だ。

 12人のうち、有田病院と関係があるのは10人。医師やその家族、入院患者らだ。大半は院内感染か、家族からの感染と疑われている。だが、そもそも最初に誰がどこから病院にウイルスを持ち込んだかについてはヒントさえ得られていない。

 病院の近くには、中国人観光客が頻繁に利用していたホテルがあり、1月末までは宿泊があったことは県も把握している。12人のうち最も早く、男性外科医が発熱したのもその頃。時期的には重なるが、県がホテルの従業員や出入り業者などに連絡を取って聞いても、他に体の変調を感じた人は見つかっていない。

 仁坂吉伸知事は「観光客の動向は調べる」と表明。県は立ち寄り先を一つ一つ特定して訪れ、聞き取りを続けている。

 さらに2月16日の検査では、病院とは無関係の50代男性の感染を確認。男性は7日には発熱し、複数の医療機関を回っていた。症状が軽いか無症状のままのことも多いウイルスの特性のせいで、依然として感染者が地域にいる可能性もあり、仁坂知事も「困った」と表情を曇らせた。

 県はこれまで、延べ約150人の検査を終えたが、対象者はさらに病院スタッフや入院患者を中心に350人ほどいる。新たな感染者が現れれば、その周辺で検査対象が増える可能性もあり、全てを終えるには時間がかかりそうだ。

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