済生会有田病院(和歌山県)関連の感染者の動き

 新型コロナウイルスによる肺炎患者が各地で確認され、感染拡大の様相を見せている。和歌山県湯浅町の済生会有田病院で最初に感染が判明した男性外科医は、発熱した後も勤務を続けていた。専門家は「症状が比較的重くない人が多いのが拡大の一因ではないか」として「発熱があれば休んで」と呼び掛けている。

 県によると、男性外科医は1月31日に発熱。この日、後に感染が判明した60代男性患者を問診していた。2月1~2日は休みで、3~5日は解熱剤を服用して出勤し、患者らと接触があった。6日には県外の医療機関で勤務していた。

 感染した同僚の男性医師も発熱があった4日から感染が確認された14日までの間、自宅療養と勤務を繰り返していた。

 13日に感染が確認された受診者の70代男性は、1日に嘔吐(おうと)など風邪の症状があり、地元の医療機関を複数回受診。6日に有田病院に入院した。

 自治医大の田村大輔准教授(小児感染症学)は「死亡率が約10%に上った重症急性呼吸器症候群(SARS)と比べ、今回は多くの場合、風邪のような症状にとどまるとされる」と指摘。「寝込むような人は多くなく、結果的に人と接することでうつす機会が増えてしまう」とみる。

 県は濃厚接触者や発熱などの症状が出た人から優先的に検査を実施。だが無症状の感染者が検査の順番を待っていたり、そもそも検査対象から漏れていたりする可能性も考えられる。仁坂吉伸知事は16日の記者会見で新たな感染者は確認されなかったと発表したが「結果に一喜一憂できない」と厳しい表情を崩さなかった。

 東海大の金谷泰宏教授(公衆衛生学)は「熱が出たら無理に出勤せず、仕事を休むことも重要。社会対策で乗り切るしかない」と話している。

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