新型インフルエンザを例とした感染症流行の段階

 新型コロナウイルスによる肺炎について、政府の専門家会議は「国内発生の早期の段階」とし、流行はしていないと判断しました。

 Q 病気の流行って?

 A ウイルスや細菌などが人体に侵入して、熱などの症状が出る病気が感染症です。人から人にどんどんうつって広がるようになれば流行と言えますが、ここから流行ですよと決めるのはなかなか難しいです。

 Q でも、インフルエンザは「流行入り」って毎年聞くけど。

 A はい。今季は昨年11月15日に厚生労働省が全国流行が始まったと発表しました。実は、インフルエンザでは政府が流行の定義を決めています。全国約5千の病院で、1週間に平均1人以上の患者が受診するようになると「流行入り」です。

 Q 新型肺炎では?

 A 昨年末、中国で見つかったばかりの感染症ですから基準はありません。そのため誰から誰にどうやってうつっていったかを追っていけるかどうかが目安です。今はまだ、感染経路をある程度追いかけられる状態にあると専門家会議は判断したということです。

 Q 「国内発生の早期の段階」って?

 A ちょっとややこしいのですが、遺伝子が普通のインフルエンザと違って治療が難しい、新しいタイプの「新型インフルエンザ」というのがあります。この流行に備えた政府の行動計画の中にある言葉なんです。

 Q 詳しく教えて。

 A 流行には、いくつかの段階があります。最初は外国で新しい感染症が見つかる「海外発生期」。日本で患者が見つかる「国内発生早期」、日本で感染が広がる「国内感染期」と続きます。この国内感染期が国内流行と同じ意味で使われます。患者の発生がなくなれば「小康期」です。専門家会議は新型肺炎でも、これを念頭に説明しています。今は国内流行の直前ということです。

 Q 発生早期と感染期は、どう違うの?

 A 発生早期は、海外で感染したけど日本に来てから発症した人が見つかったり、そうした人たちと一緒に過ごした人の感染が検査で分かったりする時期です。感染期になると、どこの誰から感染したのか分からない人が次々と見つかり、感染経路が追えなくなります。こうなると流行です。

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