新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)を発症した母親9人が赤ちゃんを出産し、胎内での感染を示す証拠はなかったとする論文を、中国・武漢大のチームが英医学誌ランセットに発表した。

 母親は26~40歳。いずれも臨月に入ってから肺炎で入院したが、重症ではなく、産道感染を防ぐために帝王切開で、それぞれ1児を出産した。9人中4人は早産で、うち2人は低体重だったが、ウイルス感染が原因とは考えられないという。

 6組の母子で羊水や臍帯血(さいたいけつ)、母乳、赤ちゃんの喉の粘膜を調べたところ、ウイルスは検出されなかった。ただしチームは「妊娠のもっと早い段階で感染した場合の影響は不明だ」としている。

 この結果について大阪母子医療センターの柳原格部長(周産期感染症)は「調査数は少ないが、母子感染がないことを示した重要な研究だ。ただ、母親の症状が重い場合などに影響がないとは言い切れないので、今後も検討が必要だ」と指摘した。

 その上で「妊婦の肺炎は重症化しやすいため、頻繁な手洗いなどで感染症の予防を心掛けてほしい」と話している。

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