新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)問題で厚生労働省は2月13日、ウイルスに感染した神奈川県在住の80代の日本人女性が死亡したと発表した。国内で死者が出たのは初めて。死亡後に感染が確認された。加藤勝信厚労相は記者会見し、感染経路は不明とした上で「最近の渡航歴はなく、国内で感染した可能性を踏まえ調査する」と述べた。「国内で流行しているという疫学的な情報は集まっていない」とも語った。

 国内では軽症の患者が多いとされたが、高齢者などには深刻な感染症だと改めて浮き彫りとなった。最近は流行地域への滞在歴がなくても自治体の判断で検査を実施しており、今後も滞在歴のない感染者が見つかる可能性がある。

 厚労省によると、女性は1月22日に倦怠(けんたい)感を認め、28日に医療機関を受診。2月1日に肺炎と診断され別の医療機関に入院した。6日ごろから呼吸状態が悪化し、13日に死亡した。12日に女性から採取した検体で検査を実施し、死亡後に陽性と確認された。

 女性の義理の息子で、東京都内のタクシー運転手の日本人男性(70代)も感染が判明。女性は運転手の1週間前に発症していた。

 さらに、和歌山県湯浅町の済生会有田病院に勤務する50代の男性外科医の感染も分かった。国内の医師の感染判明は初めて。肺炎を発症し入院したが入院前、微熱が続く中、解熱剤を飲みながら3日間勤務したという。

 このほか、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で日本人29人を含む44人の感染が判明した。千葉でも1人が感染。国内の感染確認は死亡した女性を含め251人となった。和歌山と千葉の2人は日本国籍。

 済生会有田病院は新規の患者受け入れを停止。中国から来た人との接触の有無は分かっていない。海外で過去に、同じコロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARS)などが病院関係者を介して院内で拡大した例があるため、厚労省は事態を重視している。

 一方、厚労省は、クルーズ船内で待機する乗客乗員約3400人のうち、ウイルス検査で陰性が確認された80歳以上の希望者を優先的に14日から下船させると発表した。体調悪化への懸念から全員待機の方針を転換した。80歳以上の乗客は約200人。対象年齢の引き下げも検討する。厚労省によると、クルーズ船の乗船者で重症者は計10人で、うち8人が陽性。下船後は、原則として健康観察期間終了の19日までは、政府が用意する宿泊施設で生活する。
 

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