1998年10月、阪神の監督就任会見で握手する野村克也さん。左は久万俊二郎オーナー、右は高田順弘球団社長=大阪市内のホテル

 野村克也さんの監督時代に指導を受けた福井県関係の元選手は2月11日、訃報に胸を痛めた。選手の体を気遣う優しさや名将としての手腕を振り返り、「野球の奥深さを教えてくれた」と突然の別れを悼んだ。

 楽天の元外野手で2軍外野守備走塁コーチの牧田明久さん(37)=鯖江高校出身=は「野球を一から教わった」と恩を忘れない。野村さんに強肩と堅守を評価されて1軍に定着した。本塁への好返球を「自衛隊の専守防衛のようだ」と“ノムさん節”でたたえられたことも「忘れられないエピソード。うれしかった」という。「まず人間性を磨けとミーティングのたびにおっしゃられた。その哲学を若手に伝えたい」と語った。

 福井工業大学出身で元阪神投手の伊藤敦規さん(56)=愛知県=は中継ぎとして1軍のマウンドを託され、2000年にはリーグ最多の71試合に登板した。「肩は大丈夫か、マッサージしとけよ、と声を掛けてもらった。30代後半の自分を信頼してくれた」と感謝する。金一封の入った監督賞の封筒は「一生の宝物」として自宅に保管している。「データに基づく投球術を学んだ。野村さんが築いたID野球は野球界にずっと受け継がれる」と功績をしのんだ。

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