「リアルタイムPCR装置」を使い、遺伝子検査の手順を確認する職員=2月10日、福井県福井市の県衛生環境研究センター

 新型コロナウイルスによる肺炎の収束が見通せない中、福井県内で感染が疑われる事例があった場合に、感染の有無を調べる遺伝子(PCR)検査を担うのが県衛生環境研究センター(福井市原目町)だ。特殊な薬品や装置を使い、確定までに要する時間は8時間前後。現在確保している試薬の量で検査できるのは最大で約60検体だが、保健所からの検査要請が増える事態への準備も進める。24時間態勢で検査に備えている。

 同センターは、2月3日から自前で確定検査が可能になった。これまでは医療機関で採取した検体を国立感染症研究所(東京)に送る流れだったが、1月末に国から専用の試薬が届き、確定までの時間を大幅に短縮できるようになった。同センターの主任研究員によると、検査開始から確定結果を報告するまで「7~8時間」を想定している。

 検体は、たんや気管から吸引した体液、もしくはのどを綿棒などでこすった液で、密閉容器に入れ医療機関から保健所の職員がセンターに運んでくる。フィルター付きの特殊な空調設備を備えた「安全キャビネット」内で感染性をなくす作業をした後、遺伝子を抽出。ノロウイルスや風疹、麻疹の検査でも使う「リアルタイムPCR装置」にかけて陽性か陰性か調べる。

 検査には、新型コロナウイルス用の試薬以外にも5~6種類の試薬が必要。1種類でも欠ければ検査が完了しないため「1人から複数の検体を採取することがあり、効率的に使った場合、現在検査できるのは最大60検体分」で、在庫が少ない試薬は新たに発注した。新型コロナ用の試薬は希釈して容器に小分けして、ほかの試薬と共にマイナス80度に保った冷凍庫に保管している。

 同センターは薬剤師や臨床検査技師、獣医師の資格を持つ職員6~7人が当番制で夜間や土日も自宅待機し、保健所から要請があれば検査に入る。

 主任研究員は「県内で陽性1例目が出るのも時間の問題かもしれない。できるだけ迅速に、正確な検査結果を出せるようにしたい」と話している。

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