新型コロナウイルスで広がるテレワーク

 新型コロナウイルスによる肺炎が拡大する中、企業では通勤ラッシュや人混みでの感染を防ぐため、在宅勤務などの「テレワーク」を活用する動きが広がりつつある。

 テレワークは夏の東京五輪・パラリンピック期間中、交通機関の混雑緩和策の一つだが、新型ウイルスの流行を契機に危機管理の観点からも注目されている。検討は大企業だけでなく、中小企業にも及んでいる。

 日本たばこ産業(JT)は2017年から原則週2日までテレワークを認めているが、新型ウイルスの発生を受けて上限を外す措置を取った。国内の全社員を対象とする。

 バイオベンチャーのユーグレナは今月3日から14日まで、東京都や横浜市、福岡市など大都市圏の事業所で働く約170人を対象に時差通勤とテレワークを呼び掛けた。時差通勤を基本としつつ、子供の送迎などで通勤が難しい場合はテレワークにする。

 IT企業のGMOインターネットも中国からの観光客が多いエリアにある東京都渋谷区や大阪市などの事務所に勤務する社員約4千人を対象に、1月27日から在宅勤務を実施している。

 このほか楽天や野村ホールディングス、SMBC日興証券も中国から帰国した社員には帰国から14日間、在宅勤務や自宅待機を指示。楽天は妊娠中などの事情がある社員には渡航歴がなくても、在宅勤務を可能とした。「今より感染が拡大する事態になったときは在宅勤務拡大を検討する」(楽天広報)。

 中小・ベンチャー企業向けにテレワークのノウハウ共有を手掛けるTDMテレワーク実行委員会の長沼史宏委員長は「感染拡大を受け、これまで関心を持っていなかった企業からも相談が急に増えた」と話している。

関連記事