小学3年の息子のことです。背中を中心に、首回りや顔など全身が「乾燥肌」になりやすく、2年ほど前に皮膚科クリニックで「アトピー性皮膚炎」と診断されました。最近は週2回、処方してもらったステロイド軟こうを塗ると治まるのですが、2カ月ほど経過するとまた症状が出てきます。ずっと治療し続けないといけないのでしょうか。(福井県福井市、30代女性)

【お答えします】笠松宏至・福井大学医学部皮膚科医師

■症状強くても、治療でコントロール可

 アトピー性皮膚炎は、かゆみのある発疹が出現し、良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚病です。本人や家族にぜんそくやアレルギー性鼻炎、結膜炎などの「アトピー素因」がみられることもあります。子どもは成長とともによくなっていくこともありますが、成人に持ち越した場合や成人発症の場合は慢性に経過しやすい傾向があります。

 皮膚は外部との境界で、内部の水分などを保持し、外部からの異物の侵入を防ぐ役割がありますが、アトピー性皮膚炎はこの機能が低下しています。そのため乾燥し、軽い刺激でも湿疹ができて、かゆみが生じやすくなります。

 症状の強い場合は、完治(保湿剤や薬を使わない、何もしなくてよい状態)というのは難しいこともありますが、うまく治療してコントロールすれば、かゆみがなく傍から見て発疹があるかどうかわからない「寛解」の状態にすることは十分可能です。

■プロアクティブ療法で寛解維持

 湿疹のひどい時期には、かゆみや皮膚の炎症を早く抑えるため、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を1日2回程度、毎日塗ります。かゆみがなくなり一見発疹が消失したようでも、アトピー性皮膚炎の肌では、目に見えないくらいの炎症が起きていることがあります。そのためこの段階で治療をやめてしまうと、症状がぶり返します。

 そこで近年ではプロアクティブ療法という治療方法が推奨されています。それまで毎日塗っていた外用薬を週3回、そして週2回、週1回と徐々に塗る間隔を空けていき、寛解を維持する方法です。ただし、十分に湿疹が治まっていない状態でプロアクティブ療法に移行したり、回数を減らしたり中止したりすると再燃することがあります。

 また、これだけでは皮膚炎は抑えても、乾燥やバリアー機能の低下は防げないので、外用薬を使わない日も保湿剤を塗るとよい場合があります。外用中止の時期は自己判断ではなく、担当の医師の指示に従ってください。なお、アトピー性皮膚炎は、かくことによって悪化します。かゆみがある場合は抗ヒスタミン薬の内服が必要になります。

 悪化因子の除去も重要です。ナイロンタオルなどの硬い素材で洗うことや、ダニ・花粉・ペット、夏には日焼けや汗、冬には過度の暖房などが例として挙げられます。個人差もあります。定期的に医療機関を受診し治療を調整しながら、いま一度自分の生活を振り返ってみましょう。

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