【越山若水】「考古学は地域に勇気をあたえる」との言葉を残した著名な考古学者の森浩一さん。地域史を軸に歴史を見直して、環日本海学や関東学、東海学、京都学を提唱した▼福井県とも関係は深く旧丸岡町(坂井市)などで開かれた継体天皇に関するシンポジウムのパネリストのほか、「日本一短い手紙 一筆啓上賞」の選考委員も務めた。その森さんの同志社大における“最後の弟子”が、越前町織田文化歴史館学芸員の堀大介さん(46)=鯖江市出身=だ▼「福井に戻ったら継体天皇と泰澄和尚に取り組みなさい」。堀さんは森さんから励まされた。森さんの協力も得て調査研究や展覧会開催に打ち込んだ。旧朝日町(越前町)での泰澄に関するシンポジウムでは、森さんが講演してくれた▼堀さんは一昨年から、泰澄関係の史料や論文をまとめた「泰澄和尚と古代越知山・白山信仰」と、敦賀地域の古墳と神仏習合に関する最新の研究動向や独自の見解を盛り込んだ「古代敦賀の神々と国家」を続けて出版した。各350ページを超す労作。福井の歴史の奥深さや重要性を浮かび上がらせた。「森先生から地域の歴史を掘り起こし、伝承や現場で感じることの大切さを学びました」と堀さん▼きょうは1881(明治14)年2月7日に福井県が誕生したのにちなんだ「ふるさとの日」。地域史の成果も踏まえ地域の未来へ思いをはせたい。

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