真水の精製やバラスト水の管理など必要な作業をするため、横浜港から太平洋上へ向かうクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」=5日午後(共同通信社ヘリから)

クルーズ船検疫の流れと感染拡大の状況

クルーズ船で陽性反応が確認された人

 厚生労働省は2月5日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員約3700人を検疫し、10人に新型コロナウイルスの陽性反応が出たと発表した。うち3人は日本国籍で50~60代の男女。重症の人はおらず、感染症法に基づき入院措置を取った。残りの乗客乗員には今後14日間、船内待機を要請し、検疫を続行する。新型肺炎の集団感染の確認は国内で初めて。千葉県と京都府でも1人ずつ確認され、感染者は35人、うち日本人は13人となった。

 【2月7日】クルーズ船、新たに41人感染

 新型肺炎は拡大が止まらず、中国国家衛生健康委員会の発表で、中国国内での死者は計490人、感染者は計2万4324人。安倍晋三首相は5日の国会で「感染拡大防止に向けて万全の対策を講じる」と述べた。政府は中国・武漢から邦人を帰国させるチャーター機第4便を6日に派遣する方向で調整しており、菅義偉官房長官は、必要があれば第5便以降も検討する考えを示した。

 クルーズ船を巡っては、香港で感染確認された香港人男性(80)と長時間近くで過ごした濃厚接触者が乗客に36人おり、うち2人は新たに感染した10人に含まれることも判明。厚労省は乗客乗員約3700人には、個室に滞在するよう要請しているが、強制力はない。最長14日間となる待機の最終日は2月19日との見方を示した。

 厚労省によると、10人のうち、2人は鹿児島県内で、香港人男性とバスツアーに参加。1人は発症し1人は無症状。2人は船では香港人男性と別室で滞在した。バスツアーでは乗客乗員の他、濃厚接触者とみられる人はいなかった。10人の感染経路は現時点で特定できないという。

 船には日本や香港、台湾を含む56の国と地域の人が乗船しており、乗客2666人のうち日本人は1281人だった。

 クルーズ船運営会社「カーニバル・ジャパン」(東京)によると、10人の国籍は日本3人、中国3人、オーストラリア2人、米国1人、フィリピン1人。厚労省によると乗客9人、乗員1人。年代は50代4人、60代4人、70代1人、80代1人。横浜市は食料などの物資補給のため、クルーズ船が6日朝、横浜港に着岸するとしている。

 厚労省は約3700人の健康チェックと、有症者120人と濃厚接触者153人の計273人からの検体採取を終えたが、結果判明は31人にとどまっている。厚労省は計273人の検査について「複数日かかると予定している」とした。

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