2月5日、トランプ米大統領の弾劾裁判で「議会妨害」の訴追条項について無罪評決を出した米上院。採決結果は有罪47、無罪53=ワシントン(上院テレビ提供、ロイター=共同)

 米上院(定数100)の弾劾裁判は2月5日、トランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る「権力乱用」と「議会妨害」の二つの訴追条項について、いずれも無罪の評決を出した。疑惑は払拭されておらず、無罪評決への世論の賛否は拮抗。米社会の分断が深まるのは必至で、トランプ氏が再選を狙う大統領選や上下両院選にも影響しそうだ。

 弾劾訴追された米大統領は史上3人目。ジョンソン(第17代)、クリントン(第42代)の両氏と同様、トランプ氏は有罪・罷免を免れた。上院は与党共和党が多数派を握り、陪審員役の上院議員の採決で3分の2の賛成に届かなかった。

 「権力乱用」は有罪48、無罪52、「議会妨害」は有罪47、無罪53だった。「権力乱用」について共和党重鎮のロムニー議員が造反し、有罪・罷免に賛成票を投じた。

 弾劾裁判は1月16日、上院議員らの宣誓手続きで開始。下院が昨年12月に野党民主党の賛成多数で可決した弾劾訴追決議(起訴状に相当)を審議した。

 検察官役の民主党下院議員団はトランプ氏が111月の大統領選を有利に戦うため、ウクライナに軍事支援の見返りとして、民主党有力候補のバイデン前副大統領の捜査を要求した2証言や文書提出を命じた下院委員会の召喚状を無視した―と追及した。

 トランプ弁護団は全面否認。捜査要求は、バイデン氏が副大統領時代、息子がウクライナのエネルギー企業役員として高額の報酬を受け取っていたことを巡り不正がなかったか調べるためだったと正当化した。

 民主党は疑惑解明のため、昨年9月に解任されたボルトン前大統領補佐官の証人尋問を求めたが、共和党議員のうち2人しか賛同を得られず、必要な過半数に達しなかった。

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