雪不足で営業が開始されていないスキー場=1月30日、福井県大野市角野の九頭竜スキー場

 記録的な少雪が福井県奥越地域の観光業に深刻な影響を及ぼしている。福井県大野市の3スキー場はいまだに営業できず、周辺のホテルはキャンセルが続出している。雪関連のイベントは中止や内容変更の対応を余儀なくされた。自治体が商工会議所などと宿泊業、小売業者の支援策を検討する動きも出ている。

 ▼売り上げゼロ

 和泉、九頭竜両スキー場がある大野市和泉地区のホテル、フレアール和泉は年末年始に入っていたスキー客の予約が全てキャンセルとなった。2月は600人以上の予約が入っているが、キャンセルが出始めた。川島弘揮支配人(61)は「一番の稼ぎ時だけに経営の影響は計り知れない」と肩を落とす。

 九頭竜スキー場に併設するパークホテル九頭竜ではスキー関連の売り上げはゼロ。冬場に月当たり200万円以上を売り上げるレストランは客がおらず、閑散とした状態が続く。

 一部のゲレンデが滑走可能な勝山市のスキージャム勝山に併設するホテルハーヴェストスキージャム勝山は、今季の予約が例年の2割減。土、日曜の予約は埋まるが、少雪が影響して「直前のキャンセルも少し出ている」(担当者)。

 例年はスキー帰りの客でにぎわう勝山温泉センター水芭蕉は、12月以降の客が前シーズンの2割以上に当たる約3千人減った。

 ▼例年比3割減

 2月1、2日に大野市の中心市街地であった「結の故郷 越前おおの冬物語」は恒例の雪でつくる灯ろうが設置できなかった。モニュメント制作やジャンボ滑り台など雪を使った企画は全て見送った。市観光振興室によると、来場者数は例年より約3割減の約2万6千人。担当者は「観光客の多くは雪を求めて奥越にやってくる。企画の中止は大きな痛手だ」と声を落とした。

 9日に六呂師高原スキーパークで予定されていた「さかだに雪まつり」は雪不足のため中止。同日、勝山市鹿谷小などである「鹿谷町雪まつり」は、大型雪像展示が中止に。一昨年は大雪でまつり自体が中止となり、昨年は暖冬で雪像コンテストを小型の雪像展示に変更。3年連続で極端な気候の影響を受けた形だ。

  ▼高め気温の予報

 福井地方気象台によると、今季、大野市の最深積雪は3センチ(1月15日)で、1980年の観測開始以降最も雪が少ない状態。5、6日前後には寒気が入り込む予報だが、来週以降は再び気温が上がる見込みだ。

 スキー場だけでなく、建設、宿泊、小売業などに雪不足の影響が広がっていることから、大野市は金融機関、大野商工会議所との情報交換会を6日に開き、実態把握と融資など支援策を協議する。

 大野商工会議所の稲山幹夫会頭は「奥越の冬の観光は、雪に依存している面が大きい」とした上で「北陸新幹線、中部縦貫自動車道の整備が近い今だからこそ、雪のない年にどう人を呼び込むのかを考える必要がある」と話している。

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