横浜・大黒ふ頭沖に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に横付けされた海上保安庁の巡視艇=2月5日午前8時26分(共同通信社ヘリから)

 厚生労働省は2月5日、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員約3700人を検疫した結果、乗船者10人から新型コロナウイルスの陽性反応を確認したと発表した。重症者はおらず、うち3人は日本国籍。感染法に基づき入院措置を取り、海上保安庁の巡視艇で神奈川県内の医療機関に搬送する。残りの乗客乗員は、今後14日間は船内で待機してもらい、検疫を続行する。

 加藤勝信厚生労働相は同日、記者会見し「乗客乗員の健康の状態には十分配慮し、感染拡大防止に向けて万全の態勢を取りたい」と述べた。

 厚生労働省によると、クルーズ船の乗員は1045人で、乗客は2666人。乗客のうち日本人は1281人。乗員は不明。

 厚労省によると、これまでに乗客乗員約3700人の健康チェックと検体の採取は終了。検体を採取したのは有症者や濃厚接触者計273人で、結果判明は31人にとどまっている。船には日本や香港、台湾を含む56の国と地域の人が乗船している。

 厚生労働省によると、ウイルス検査で陽性となった10人は発熱やせきなどの症状が出ている。39度台の熱がある人もいた。

 厚労省は感染すると重症化する恐れのある高齢者や持病のある人も追加でウイルス検査をする。

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客によると、5日朝の船内放送で、乗客は客室にとどまるよう指示があった。食事はルームサービスで提供すると説明されたという。
 1月20~25日に横浜から香港まで乗船した香港人男性(80)が下船後に感染が確認されたため、厚労省が2月3日夜に横浜港に戻ったクルーズ船で検疫を実施していた。

 神奈川県は危機管理対策会議を開催。横浜市によると、感染者で入院が必要と判断された人が出た場合は、感染症の指定医療機関である横浜市立市民病院(同市保土ケ谷区)などが受け入れることを想定している。船も消毒する見込み。

 厚労省は船内で感染者と濃厚接触した人に関して調査を進め、発熱などの症状がみられなくてもウイルス検査を実施。感染者との接触がなく、健康チェックで問題がなかったり、検査で陰性となったりした人は帰宅してもらうことにしていた。

 運営会社「カーニバル・ジャパン」によると、3700人のうち約千人が乗組員。クルーズ船は、1月20日に横浜を出発後、22日に鹿児島に寄港し、25日に香港に到着。その後、ベトナムや台湾を巡って2月1日に那覇に寄り、横浜へ戻った。横浜港では、大黒ふ頭沖で停泊していた。

 厚労省は那覇―横浜を航行中に香港人男性の感染が確認されたため、那覇での検疫を取り消す異例の措置を取った。

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