ウイルス検査の検体採取法

 新型コロナウイルスによる肺炎の検査で当初、陰性だった人が追加検査で感染が判明する例があったことを受け、厚生労働省は2月3日、検査の際にたんの採取を徹底することを決めた。感染者の見落としを防ぎ、拡大を食い止める目的。積極的に検査を行う対象は「中国湖北省に滞在歴があり発熱などの症状が出た患者と接触した人」などに範囲を広げる。

 短時間で感染の有無を調べる簡易検査キットの開発にも着手。感染の疑いがある人を専門的に診察する「帰国者・接触者外来」を医療機関に設置するよう47都道府県に要請した。

 これまで国立感染症研究所は、感染が疑われる患者が医療機関に訪れた場合、ウイルス検査に使う検体として喉に綿棒を差し込んで拭った粘液を採取して検査機関に送るよう要請。たんについては「できる限り採取する」との扱いで、現場ではほとんどのケースで喉の粘液のみを調べていた。

 しかし、1月29日に政府の第1便チャーター機で帰国した40代男性は、喉の粘液検査では陰性だったが、肺炎症状があったため追加でたんを採取して検査をしたところ、感染が判明した。

 同研究所の長谷川秀樹インフルエンザウイルス研究センター長によると、新型ウイルスは個人差があるものの、喉の周辺では量が非常に少ないが、肺に近い場所では多い傾向がある。このため肺の状況を調べられるたんの検査で陽性になった可能性がある。

 同研究所は、たんも必ず採取するようにマニュアルを改定した。ただし、軽症や無症状の場合はたんの採取が難しく、その場合は喉の粘液だけでよいとしている。

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