新型肺炎患者発生時の流れ ※1月31日現在

 新型コロナウイルスに感染した患者の情報をどこまで公表すべきか、感染者が確認された自治体では対応が分かれている。大阪府は独自に患者の行動歴を公表した一方、奈良県は個人情報に関する懸念などを理由に最小限にとどめている。福井県は、県内で患者が確認された場合は「国と協議しながら、感染防止に必要な情報かを判断して公表内容を決めることになるだろう」と慎重な姿勢だ。

 国は「個人情報保護のため」として、感染者の詳細な行動歴を明らかにしていない。大阪府は他者との濃厚接触が疑われる場合に限って開示する独自ルールを設定。吉村洋文知事が1月30日、新型コロナウイルスに感染した大阪市のバスガイドの女性の主な立ち寄り先を明らかにした。

 福井県内で患者が発生した場合の対応はどうか。県の想定では(1)新型肺炎感染の疑いがある人が近くの県健康福祉センターや福井市保健所に連絡(2)同センターなどが感染症指定医療機関6病院のいずれかと受診調整を行い、受診してもらう(3)のどの奥をぬぐって採取した検体の遺伝子検査を県衛生環境研究センターで行い、陽性の場合は国立感染症研究所(東京)に検体を搬送し確定検査を実施する(4)感染が確定した場合は、国と県が公表する―となっている。

 県によると、感染疑いで健康福祉センターが連絡を受けてから確定まで2日ほどかかる。担当者は、現時点で空気感染の可能性は低いことから「感染者が立ち寄った場所に行っただけで感染する恐れは低い。立ち寄り先など詳細な行動歴を公表すると、かえって不安をあおったり混乱を招いたりする可能性がある」と指摘。また、都会と違い地域のつながりが強い福井の特性も考慮し「個人が特定されて、不当な差別を受けたり風評が起きたりしないようにしなければならない」と強調する。その上で「状況に応じながら有益な情報については公表していく。県民の皆さんには冷静に対応してほしい」と呼び掛ける。

 一方、感染者と濃厚接触の可能性のある人に対しては、個別に連絡して症状を確認する。症状がある場合は、指定医療機関の受診を求めることにしている。

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