ここ10年で左目の裸眼視力が0・8から0・5になり、VDT検査で「パソコンの使用をできるだけ控えるように」と指導されました。仕事上、パソコン画面を見ないのは難しいのですが、少しでも目の疲労を和らげる方法など対処法を教えてください。このまま目のケアを怠ると何か病気を引き起こすことはあるのでしょうか。(福井県福井市、30代男性)

【お答えします】天谷陽子・福井県立病院眼科医長

 ■長時間作業でVDT症候群に

 パソコンやスマートフォンなどを使い、長時間集中して作業をすることで、目や身体、精神面に影響を及ぼすことをVDT症候群といいます。目の疲れ、痛み、視力低下、ドライアイ、首や肩のこり、頭痛、イライラなどがあり、1日の連続作業時間が長くなるほど目に関する症状が多くなります。原因として▽まばたきが減る▽視線が上向きになる▽作業時に視線の動きが多くなる▽ディスプレーを見る-などが挙げられます。

 VDT作業中は、まばたきの回数がリラックス時の4分の1に減少し、視線がやや上を向くことにより、ドライアイを引き起こしやすくなります。また、ディスプレーやキーボード、手元の書類を見るために視線が頻繁に移動することになり、従来の事務作業の3倍の眼球運動が必要となります。眼球運動に合わせてピント合わせを頻繁にする必要があるため、さらに目に負担がかかり、視力低下などの症状が出やすくなります。

 また、ディスプレーは光の点滅を繰り返しているので、周囲の光環境によって容易に画質が変化します。ただ、多くの人は画面が見づらくなっていることに気づかずに作業を続けてしまいます。ディスプレー画像から放出されるブルーライトも有害とされます。

 ■まばたきや休憩増やすなど対策を

 具体的な対策を挙げます。

 (1)意識してまばたきを増やす。ドライアイ用の点眼使用もおすすめです。蒸しタオルなどで目の周囲を温めるのも効果的です。

 (2)VDTの連続作業は1時間以内とし、次の作業まで10~15分の休憩をとる。休憩時には体を動かし、遠くの景色を眺めて目を休めるとよいでしょう。

 (3)照明、採光、温度、湿度を調節し、作業環境を快適にする。

 (4)作業姿勢に注意し、パソコン画面は20~30度目線が下になる位置にする。

 また眼鏡やコンタクトレンズはディスプレーに合った度数にしましょう。ブルーライト遮光眼鏡もよいでしょう。

 VDT作業による症状は、仕事や生活が変わらない限り、自然に治ることはありません。上記の対策をしても症状が続くようならば、目の病気が隠れていることがありますので、眼科での診察をおすすめします。

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