中国・武漢から退避した邦人を乗せ、羽田空港に到着した日本政府のチャーター機=1月31日午前10時25分

 新型コロナウイルスによる肺炎が発生した中国湖北省武漢市の滞在邦人を退避させる日本政府の全日空チャーター機第3便が1月31日午前、武漢から羽田空港に到着した。邦人149人が搭乗。政府は滞在先を埼玉県和光市の国立保健医療科学院と千葉県柏市の税関研修所に決めた。菅義偉官房長官は記者会見で茨城県の筑波産学連携支援センターと言及したが、調整の結果、見送った。

 外務省によると、30日時点で帰国を希望している武漢周辺の邦人は300人以上。菅官房長官は「帰国希望の邦人がまだ約140人いる。大半は武漢市外の邦人で、要望を聴取した上で早急に帰国できるよう調整を進める」と述べた。外務省幹部によると、来週以降、第4便を運航する見通し。

 チャーター機には医療チームが乗り込んでおり、検疫や体温チェックに当たった。第3便からは客室乗務員が防護服を着用。機体は第1、2便と同様、第2ターミナル本体から離れた「サテライト」に駐機し、乗客の移送に備えた複数台の救急車や大型バスが横付けされた。サテライトは普段は国内線専用だが、政府は今回、臨時で入国審査などを行う態勢を整えたり、一般乗客を立ち入れなくしたりした。

 政府は第1便の帰国者で症状がなかったのに、新型コロナウイルスの検査で陽性だった帰国者がいたことを重視。羽田到着後のウイルス検査で陰性だった人でも、最長2週間、用意した施設に滞在してもらい経過観察する。さらに2週間後に再検査することも検討している。

 全日空は無症状だった人が陽性になったことを踏まえ、今後も武漢からの運航では客室乗務員に防護服を着用させる。乗務員は一定期間は自宅待機して体調に異変がないかどうかを確認し、2週間程度は定期便への乗務を控えるという。対象者は3便目までで計約20人。

 29日に到着したチャーター機第1便では日本国籍の206人、30日の第2便では210人が帰国した。

 ■政府発表から二転三転

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、中国・武漢から31日午前にチャーター機第3便で帰国した邦人の一時滞在先について、政府の発表が二転三転した。政府関係者は「調整の結果」としているが、現場の混乱が浮き彫りとなった形だ。

 菅義偉官房長官は31日午前の記者会見で、帰国者の滞在先に関し「茨城県(つくば市)の筑波産学連携支援センターなどを中心に現在調整を行っている」と表明した。

 しかし約1時間後、内閣官房は滞在先として埼玉県和光市の国立保健医療科学院と税務大学校和光校舎で経過観察すると発表。さらにその1時間後には、国立保健医療科学院と千葉県柏市の税関研修所の2カ所で受け入れると訂正発表した。
 

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