周囲360度を撮影できる高精細の4Kカメラが搭載された除雪車=1月30日、福井県永平寺町

 福井県永平寺町や総務省、NTTドコモなどは1月30日、雪害対策に第5世代(5G)移動通信システムを活用する実証実験を同町永平寺緑の村四季の森文化館で行った。超高速で送られた現場の高画質映像を見ながら除雪車の操縦指導をしたり、除雪状況を住民に配信したりすることで作業の効率化を図るのが狙いだ。

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 5Gは大容量のデータを超高速で送ることができ、通信による時間のずれが少ないのが特徴。総務省が2018年度企画した5G利活用アイデアコンテストで、地域課題解決賞に選ばれた永平寺町の雪害対策の一部を実験した。除雪に5Gを活用する実証実験は福井県内では初めて。

 5Gの通信環境を整え、近くの駐車場に配置した巡回車と除雪車に周囲360度を撮影できるカメラを搭載。現場から高精細の4K映像を対策本部と見立てた会場に伝送し、積雪の状況や除雪の進み具合を確認できるとした。

 車両と対策本部の双方向通信も行い、人材不足が指摘されている除雪車の操縦者に対する遠隔指導に活用。暖冬でこの日は雪はなかったが、担当者が仮想現実(VR)の専用ゴーグルを着け、現場を360度見渡せる4K映像を見ながら、除雪の手順や排雪場所を指示した。

 巡回車と除雪車の衛星利用測位システム(GPS)データと4K映像を地図上に表示し、住民が除雪の状況を把握できる技術も実証した。

 河合永充町長は一昨季の大雪で住民から1日約700件の問い合わせがあったことに触れ、「5Gを活用すれば、除雪の状況が一目で分かる。雪だけでなく、災害対応や職員の働き方の効率化にもつながると思う。実証実験が地方の課題解決に向けた一歩になれば」と話した。

 総務省は19年度、5Gの実証実験を全国23カ所で順次行っており、今回は北陸で唯一の実験となった。

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