品薄となっているマスク売り場の棚=1月30日、福井県福井市のPLANT―3清水店

 中国湖北省武漢市を中心とした新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、福井県内のドラッグストアなどではマスクを買い求める客が相次ぎ、一部店舗で品薄状態になっている。中国人客らの大量購入もあるといい、購入数に制限を設ける店舗も。国内での感染拡大の状況が読めないため「どのくらい入荷や在庫を抱えればいいのか、不透明な部分がある」と難しい対応を迫られている。

 「国内初感染が報道されたぐらいからマスクの購入が一気に増え、1週間ほど前からは前年同期比3倍ほどの売れ行き。国産メーカーの商品の入荷が不安定な状況で、一部欠品も出ている」と話すのは、ゲンキードラッグストアーズ(本社福井県坂井市)の担当者。店舗によっては入荷後、一部商品がすぐに売り切れるところもあるという。

 中国人客らの大量購入が県内の店舗でも出ているとし、1月27日から県内外の全店で「5~7枚入りが1家族5点まで、箱入りは2点まで」とする購入数の制限を設けた。福井市内の大型店では、中国語で購入制限を呼び掛ける店内広告が掲示されている。

 スーパーセンターを展開しているPLANT(坂井市)の各店でも、この1週間で前年同期比3・7倍の売り上げ。担当者は「立体型の不織布マスクがよく売れている。高額な商品は元々の在庫数の少なさもあって欠品状態」と話す。消毒液やアルコールスプレーなども徐々に購入が増えてきているという。

 県内に8店舗あるスギ薬局(愛知県)も各店でマスクの購入数を制限しており、広報担当者は「都市圏に近い店舗ほど不足し、在庫のある店から移送しているので全体的に品薄状態」と話す。県内に48店舗を展開するクスリのアオキ(石川県)は「メーカーの生産が追い付いていないと聞いている。店によっては販売制限を掛けざるを得ない」としている。

 県内のドラッグストア関係者は「どれくらい在庫を抱えれば十分なのかが分からない」と頭を抱える。2002~03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)、09年に大流行した新型インフルエンザの際には「急に騒がれてマスクが爆発的に売れ、突然購入が止まって過剰在庫を抱えた」との記憶が残り、今後の新型肺炎の動向を注視している。

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