冬眠から覚め、石垣でひなたぼっこするヘビ=1月28日、福井県越前市内

 福井県越前市内の民家の石垣に毎日のように現れ、ひなたぼっこしているヘビがいる。住民は「最初は気持ち悪かったけど、見慣れるとかわいい顔に見えてきた」と温かく見守っている。一見、記録的に暖かな冬を満喫しているようだが、専門家によると、十分に冬眠できないヘビにとってはそうも言っていられないようだ―。

 住民の男性(72)が最初にヘビに気が付いたのは、昨年11月中旬。石垣下の穴が巣の入り口のようで、午前9時ごろに穴から顔を出し、日差しが当たる“定位置”でじっとしている。巣に戻るのは午後3時ごろ。男性は「霜が降りるような寒い日は出てこないが、それ以外はほぼ毎日。こんなことは初めて」と驚いている。当初は駆除も検討したが「もしかしたら、うちの守り神かも」と考えを改め、毎日見ているうちに愛着が湧いてきたという。

 福井市自然史博物館の学芸員、出口翔大さんによると、ヘビはアオダイショウとみられる。冬眠の時期で餌を食べていないので、とてもやせ細った状態だという。出口さんは「暖冬で冬眠から目覚めたのだろう。とは言ってもヘビは変温動物。活発に活動するには気温が低く、ひなたぼっこで体温を上げているのだろう」と推測する。

 1月26日には出口さん自身も、同じように冬眠から覚め、じっと動かないやせたアマガエルを見たという。「今季の暖冬は変温動物の冬眠に影響を与えているようだ。中途半端に寒かったり暖かかったりすると、冬眠しきれずに余計な体力を使って死んでしまう場合もある」と指摘。「アオダイショウに毒はない。ヘビにとってはなかなか苦しい冬だと思うので、大切に見守ってほしい」と話している。

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