例年より1カ月以上早く開花した梅=1月28日、福井県若狭町田井

 福井県若狭町特産の福井梅が、暖冬の影響で例年より1カ月ほど早く開花した。開花が早まると受粉率が下がって不作となる可能性が高く、梅農家らは「これほど早く花が咲いた経験はなく、収穫が不安だ」と危機感を募らせている。

 福井県二州農林部によると、梅の受粉はミツバチなどに頼るところが大きく、活動が鈍い1月に開花すると実がなりにくい。開花以降も、寒波や雪に襲われると花やつぼみが凍ったり枯れたりする可能性があるほか、少雨が続くと雌しべが乾燥して花粉が定着しにくくなるという。

 同町は日本海側最大の梅の産地で、三方湖から常神半島にかけて約8万本の梅の木が植えられ、年間800~1000トンの福井梅を生産している。2019年のJAの集荷量は約630トンと例年より少なかったが、今後の気候によっては今年はさらに下回る可能性もあるとしている。

 福井地方気象台によると、梅園に一番近い美浜町の観測所の平均気温は、今年になってから平年より2・5度以上高い。例年2月下旬から3月上旬に開花する「紅映(べにさし)」や「剣先」などの品種が、既に1本の木につき10~20輪ほど花を咲かせた状態で、つぼみも多く膨らんでいる。

 地元の梅農家の男性(37)は「暖冬となってしまったことは仕方ないが、せめてこのまま雪が降らず、花がだめにならないよう願うばかり」と肩を落としている。

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