マスクをして福岡空港に到着した中国人旅行者ら=1月25日午後

中国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎拡大で、中国国営メディアは1月25日、中国政府の指示を受け、中国から海外への団体旅行が27日から停止されると報じた。事実上の禁止措置。旅行会社が航空券と宿泊をセットで手配する個人旅行も中止で、いずれも新型肺炎の拡大を防ぐ対応。国内団体旅行は24日に停止された。これを受け、春節(旧正月)時期の訪日中国人による経済効果に期待していたホテルや百貨店からは、不安や落胆の声が上がった。

 東京・浅草のビジネスホテルの担当者は「この時期は中国人を当てにしているホテルも多く、大変な混乱が起きるかもしれない」と不安を隠さない。客にやむを得ない事情があった場合はキャンセル料を請求しないこともあり「大きな打撃を受けるホテルもあるだろう」と話した。

 小売業への影響も懸念される。東京都内のある百貨店では、免税品の売上高の8割ほどを中国人観光客が占めているといい、担当者は「中国人客が増えることを期待していたのに、影響は避けられない」と驚いた様子。ただ「感染拡大を防ぐには仕方ないことだろう」と受け止めていた。

 中国人観光客でにぎわう大阪の繁華街・ミナミ。ドラッグストアで働く50代の男性店員は「中国の団体客は化粧品やアイマスクをよく買ってくれる得意客。売り上げにも影響しそうだ」と懸念を示す。

 国内外から観光客が訪れる横浜市の中華街にある中華料理店の男性オーナーは「国内客がメインなので、大きな影響はないだろう」と話した。
 

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