【越山若水】政府が子どもの貧困対策大綱を5年ぶりに改定した。家庭だけに委ねず、社会全体で立ち向かう姿勢を示したことは素直に評価したい▼ただ現状を数字で確認しておくと、政府の統計によれば2015年の子どもの相対的貧困率は13・9%。この数字は年間所得が国民の中央値の半分122万円に届かない家庭の割合を示す。OECDの調査では加盟34カ国中10番目に高く、OECD平均を上回っている▼「貧困」を06年から使い始めたという社会活動家の湯浅誠さんは「『なんとかする』子どもの貧困」(角川新書)で貧困を「お金がない。つながりがない。自信がない」と定義付け。地域づくりの一環としての貧困対策を説き、民間の「こども食堂」に期待を寄せる▼急増して多機能化してきた現状を踏まえ、地域活性化に向け補完し合ってほしいと訴える。湯浅さんは「多様で、雑多で、豊かな『こども食堂』の取り組みを盛(も)り立て、広げつつ、その理念も失わずにいたい」と願っている。さらに、こども食堂の名付け親、近藤博子さん(東京大田区)の持論「こどもの食堂ではなく、より多くの人たちの居場所になることが理想」も紹介▼県内で第1号、敦賀市の「こども食堂青空」は15年に開所。月2回のペースで開催が100回を刻んだという。青空が居場所を根付かせて、敦賀モデルのこども食堂を実現してほしい。

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