【論説】福井県内の駅伝競技が今シーズン、躍進を見せている。19日に開かれた第25回全国都道府県対抗男子駅伝では、県選抜が過去最高タイムを20秒短縮。順位も27位と、昨年から五つ伸ばす躍進を見せた。特筆されるのは高校生の活躍だ。県内強豪各校に若手指導者が就いたのが奏功しており、さらなる成長が期待される。

 県内駅伝界は近年、やや低迷していた。都道府県対抗男子駅伝の成績を見ると、第11回大会以降、20位台が続き、第17回大会では県勢最高の9位を達成。しかし第21回大会からは30位台を抜け出せないでいた。

 そうした中、数年前から次々と県内各高校の指導者の若返りが図られてきた。鯖江高の佐藤拓監督(38)は2年前、秋田県から移住し着任。3年前に創部された敦賀気比高では、青山学院大で原晋監督に師事した米澤豪監督(33)が指導に就いた。

 佐藤監督は秋田時代、県立高校で男女とも全国10位台に導いた手腕の持ち主。米澤監督は着任後、大学や実業団で行っているさまざまなトレーニング法を取り入れ故障者を激減させたという。

 5年前に美方高に着任し、県高校駅伝で11年ぶりのアベック優勝に導いたのは、やはり30代の堀真浩監督(39)。以降、一昨年まで王座を守ってきた。

 昨年11月の県高校駅伝では王者美方に鯖江、敦賀気比が加わり三つどもえの戦いを展開。男子は敦賀気比、女子は鯖江が頂点に立ち全国出場を決めた。その美方も男子が北信越大会で得られる全国切符を獲得した。県勢初の3校出場で、県勢のレベルアップが如実に表れた形だ。

 この高校生の力が、都道府県対抗男子駅伝で県選抜を大きくけん引した。1区の山森龍暁選手(鯖江高)が22位につけると、4区の田中悠登選手(敦賀気比高)が区間8位と大健闘した。最終7区は、今月の全日本実業団対抗駅伝で2位となったトヨタ自動車のアンカー、早川翼選手(美方高出身)が、区間20位の走りを見せ20位台入りを成し遂げた。

 タイムは過去最高の2時間21分21秒。近年の若手指導者の成果と、これまで培ってきた県内駅伝界の力が合わさっての快挙といえそうだ。

 全国で好成績を挙げるには、県内での切磋琢磨(せっさたくま)が大切だろう。高校3校が、しのぎを削るようになった現状は大いに歓迎される。冬場のスポーツ界を彩る駅伝で今後、県勢のさらなる活躍が見られることになりそうだ。

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