【越山若水】きょうから全国学校給食週間。県庁食堂などでは学校給食調理コンテストで入賞した献立の給食を期間限定で提供している。「カボチャの巻き巻き牛フライ」「アカカンバの彩り野菜」などおいしそうなメニューが並ぶ▼学校給食とはどのようなものか。京大の藤原辰史准教授は「給食の歴史」(岩波新書)で、子どもの味覚に対する権力行使ともいえる側面と、未来へ命をつなぎ新しい教育を模索する両面があると指摘する。そういえば、楽しい思い出だけでなく居残り給食の苦痛を語る人もいる▼日本における歴史は明治時代の貧困や災害対策に始まり、戦時下では体力向上がテーマとなった。福井県では1932年11月、昭和恐慌の影響による欠食や栄養不良児を対象に始まった。戦後は47年県学校給食委員会規定が定められ、軍政部の援助を受け、食糧不足を補う形で開始された▼現代の給食は地元産の食材をメニューに加えるなど中身は豊かになった。その一方、食中毒や食べ残し、給食費滞納が問題になることもある。自校調理方式の小浜市の小中学校では調理員不足が深刻化している▼さまざまな課題も抱えつつ給食はどこへ向かうのだろう。藤原さんは、朝の給食や自らつくる給食など「新時代のプロジェクト」として多様な可能性に期待する。どんな形にせよ子どもたちの笑顔があふれる場であり続けてほしい。

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