Beverly『INFINITY』

 94年フィリピン生まれの女性歌手による3rdアルバム。17年のデビュー以来、抜群の歌唱力でドラマ主題歌の『I need your love』や特撮系主題歌の『Be The One』など、多種多様のタイアップ曲を歌ってきたこともあり、本作には多彩な曲が集まっている。

 全12曲、初期のMISIA風のR&B『Poison Ivy』、K-POPグループ風のキュートなダンスチューン『Serenade』、アリアナ・グランデ風でポップな『Higher Ground』、テイラー・スウィフト風でロック調の『Nobody』などとにかく幅広い。さらに、ほぼ英語詞の穏やかなバラード『Home』や、ハウス調の英語曲『Life at the Party』など洋楽系に振り切ったかと思えば、着うた世代風のラブソング『Again』のような音域の狭いJ-POPも歌いこなす。ただ、幾つかの曲は綺麗にまとまりすぎていて、やや物足りない。

 その中で、岡崎体育が詞曲を手がけた『尊い』が特に耳に残る。70年代ディスコ風の曲と「尊い尊い尊い尊い」や「愛してるお」など現代的な言葉遣いの組み合わせが、妙に引っかかるのだ。また、サガテレビのキャンペーンソングであるミディアム調の『探しに行こうよ』は、海外出身で言葉の発音が強い彼女が歌うと「佐賀市に行こうよ!」に聞こえて、これも面白い試みだと思った。

 昭和ブレーク組の朱里エイコ、平成ブレーク組の広瀬香美あたりが好きな人なら、本作を聴けば、彼女を応援しつつ自分の中の熱い血が騒ぎだすはず。

(エイベックス・通常盤CD 3000円+税)=臼井孝

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