1月20日、新型肺炎患者が治療を受けている中国・武漢の病院で、マスクを着用した警備員(ロイター=共同)

 中国湖北省武漢市の衛生当局は1月21日未明、新型コロナウイルスによる肺炎で男性(89)が19日に死亡していたと発表した。死者は4人目。新華社電によると、新型肺炎を調査する中国政府の専門家グループでトップを務める鍾南山氏は20日、人から人への感染を確認したと明らかにした。習近平国家主席は「全力で予防、制圧する」よう関係部門に指示した。春節(旧正月)の連休(24~30日)に伴う旅行シーズンを迎え、中国政府は国内各地に対策チームを派遣して警戒を強めた。

⇒【解説】コロナウイルスの症状とは

 世界保健機関(WHO)は20日、専門家による緊急委員会を22日に、本部のあるスイスのジュネーブで開催すると発表した。新型肺炎が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当するか否かの判断や、感染拡大防止に向けた方策を協議する。緊急事態宣言が出されれば、昨年7月のコンゴ(旧ザイール)でのエボラ出血熱以来となる。

 日本の厚生労働省は20日、日本や韓国で感染者と長時間接していた可能性がある41人について、健康状態の観察対象としたことを明らかにした。体調不良を訴える人はいない。

 鍾氏によると、患者の看護などに当たった医療従事者14人に感染した。広東省の2人が人同士の感染だという。

 中国では春節の大型連休を含む帰省期間に延べ約30億人の移動が見込まれている。鍾氏は春節連休で「発症者はさらに増えるだろう」と予測。「熱が出た人は武漢を出ないほうがいい」と指摘し、「スーパースプレッダー(強い感染力を持つ患者)の出現を防がなければならない」と危機感を示した。

 これまでに中国国内で確認された発症者は21日に上海で1人増え、武漢、北京、上海の各市と広東省の計219人となった。中国の衛生当局は一度も記者会見を開かず、NHK海外放送の関連ニュースを中断するなど情報統制を強化している。

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