福井県立恐竜博物館の全景。県は、かつて示したA~Dの増設候補地のうち、Cを前提にリニューアルを構想している

 福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)は2023年夏のリニューアルに向け、2月から動きが加速する。福井県の構想では、正面入り口向かって右側のエリアに、高さ10メートルの大型映像で実物大の恐竜を体感できる特別展示室や、冬場も楽しめる化石発掘体験スペースを増築。完成後の面積は現在の4割増となる予定で、県は同年春の北陸新幹線県内開業を見据え、誘客の目玉の一つにしたい考えだ。

 同館は今年7月に開館20年。当初、年間25万人前後だった入館者数は18年度には約93万8千人と大幅に増え、県内トップクラスの観光誘客を誇る施設となった。「開館時の入館者想定は40万人」(県ブランド課)という現在の設備では、レストランなども含め手狭になっていた。さらにこれまでの発掘調査で、収蔵庫も9割以上埋まっている状況という。

 これを受けた県のリニューアル構想は、特別展示室を新たに増築し、広さも1千平方メートルに倍増。よりダイナミックな展示ができるよう、天井を高くし、10メートルの大型映像で大迫力の恐竜世界を仮想体験できるようにする。空いたスペースはレストランやショップの拡充に当てる計画だ。

⇒事業費は93億円

 現在、野外恐竜博物館の化石発掘体験は、冬場に楽しめないのが悩み。リニューアルは「オールシーズン体験可能な博物館にフルモデルチェンジ」をコンセプトにしており、増築部分では冬場でもできる発掘体験や、化石のクリーニング、レプリカ標本作りなど、恐竜研究の作業を体験できるスペースを設ける。恐竜ライブショーなどを上演するイベントホールも新設する。

 収蔵庫は現在と同規模の約1千平方メートルを追加し、今後の研究進展にも対応する。これらの結果、面積は現在の約1万5千平方メートルから約2万700平方メートルへ、約4割増となる見通し。事業費は全体で93億9千万円。

 一方、新幹線開業効果を生かすための工期の短縮が課題となる。通常、1年ずつかける基本設計と実施設計を新年度1年間で実施。さらに敷地造成も前倒しして新年度中に着手する計画となっている。施設整備自体も普通に進めていては間に合わないことから、工事を二つに分け同時に進めることにしている。

 リニューアル後の入館者目標は現在比5割増の140万人。県内で最多の誘客を誇る東尋坊(18年135万4千人)を上回る数だ。県は来月開会の2月定例県会に、設計費を計上した新年度予算案を提案し、準備を急ぐことにしている。

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