ゲイリー・ムーア『ライヴ・アット・モントルー2010』

 2011年、惜しまれつつこの世を去ったゲイリー・ムーア。彼の晩年の名演として名高いモントルー・ジャズ・フェスティバルでの公演を新装改訂したのが本作だ。ボーナストラックとして1997年のライブ映像も4曲収録した“メモリアル盤”となっている。

 この、1997年の4曲と、メインのライヴとの対比がとても感慨深く印象的だ。弾けるような勢いを見せつけてくれる1997年のライヴと、静かに燃える青い炎、と表現したいような深みと円熟を感じる2010年。13年という時間の流れが1枚のDVDのなかに収められ、それぞれの時代背景と彼ら自身のキャリアから導き出された“使命”と“必然”が浮き彫りになっているように感じてしまった。

 本編の完成度は言わずもがな。モントルー“ジャズ”フェスティバルでありながら、演奏される楽曲がじつにボーダーレスであることに、なにか集大成的な意味合いを感じてしまうファンも多いというのもうなずける。まさに必見の、記念碑的名作だ。

(ワードレコーズ・3500円+税)=玉木美企子

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