【論説】人口減少や少子高齢化で疲弊する一方の地方をどうするのか。2015年度を初年度とする地方創生は第1期の5年間を終え、4月から第2期に入る。ただ、第1期の施策は手詰まり感が否めなかった。

 その最たるものが東京一極集中の是正だ。政府機関や企業の地方移転、東京23区の大学の定員抑制、移住先での起業などの支援といった、てこ入れ策を打ち出したが、東京圏への転入者は増え続け、18年は13万6千人の転入超過となった。

 こうした経緯を踏まえ、第2期の政策メニューとなる「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、第1期の間に東京圏の転入転出を均衡させるとした目標を、第2期終了の24年度まで先送りした格好だ。

 問題は、総合戦略にある第1期の検証の項では東京圏に人口が集中する背景分析はあるものの、明確な総括がないことだ。なぜ、対策が効果を出せなかったのか、反省なくして第2期で結果を出せるはずもない。

 安倍晋三首相は年頭会見で地方創生に触れたのは、観光の面だけだった。訪日外国人客の増大を「地方創生の起爆剤」と強調し海外へのPRに力点を置く方針を示した。地方創生は看板政策のはずが、著しく後退した印象が拭えない。

 訪日客にしても、日韓関係の悪化に伴う韓国人客の激減が響き、微増にとどまっている。政府は東京五輪・パラリンピックがある今年の訪日客を4千万人とする目標を掲げているが、旅行業界では3400万人程度になるとの予測もある。

 第2期総合戦略が目玉として掲げる「関係人口」の拡大も効果は見通せない。都市住民が地方と「観光以上、移住未満」の交流をするイメージだが、副業や祭事の参加や運営に関わる都会人が相当規模に膨らむか否か、地方は懐疑的に捉えているのではないか。

 首相の諮問機関である地方制度調査会は今夏、複数市町村による「圏域」を自治体とみなして住民サービスを担うことを可能にする答申を出す予定という。日弁連の調査では「平成の大合併」で合併した町村の方が、合併しなかった町村に比べ人口減が加速傾向にあることが明らかになっている。中核となる都市は圏域に乗り気でも、周辺部となる自治体は不信感を募らせかねない。

 住民の過半数が65歳以上で共同生活が困難な「限界集落」は2万を超えたという。人口減にあらがえない現実がある以上、医療体制や行政サービスなどの集約は避けて通れないとの指摘もある。制度づくりに当たっては既存制度の弾力運用なども視野に入れ、細心の配慮をすべきだ。とりわけ地方の側の声を十分に反映する必要がある。

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