2021年4月のオープンを目指す「新べにや」の完成予想図(小堀哲夫建築設計事務所提供)

 2018年5月に全焼した福井県あわら市温泉4丁目の老舗旅館「べにや」の新築工事が1月12日、着工した。地鎮祭が行われ、光や風などの自然を感じられる「新べにや」の完成予想図も初めて披露された。来年4月のオープンに向けた大きな節目。奥村隆司社長(52)は「まい進していきたい」と力強く決意を語った。

 べにや敷地内で行われた地鎮祭には、奥村社長や女将の智代さん(52)、設計を手掛けた建築家小堀哲夫さん(48)=東京都、女将仲間や地元の住民約50人が出席した。

 「人が人へ想(おも)いを馳せる宿」をコンセプトとした「新べにや」は延べ床面積1768平方メートルの平屋建てで、趣が異なる17部屋がある。寝室や浴室、トイレなど客室すべての空間に自然光が入り、温泉熱による床暖房も導入した。建物全体に自然の風が取り込まれる構造とした。

 外観の完成予想図と模型も初めて公開され、出席者は、実物のイメージを膨らませながらじっくり見入っていた。

 奥村社長は、火災をおわびした上で「応援してくれた皆さま方のおかげでようやくこの日を迎えることができた。もう一度この場所で旅館を営めることに感謝し、まい進していきたい」と決意を述べた。

 火災は18年5月5日に発生。木造2階建てで、国登録有形文化財(建造物)の本館、中央館、東館の計約3100平方メートルを全焼した。

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