アカモクが生活習慣病に効果があることをマウス実験で明らかにした村上教授(左)ら研究チーム=1月10日、福井県永平寺町の県立大永平寺キャンパス

 日本各地の海岸に分布する海藻「アカモク」を摂取すると生活習慣病の予防に効果があることを、福井県立大生物資源学部の村上茂教授ら研究チームがマウス実験で明らかにし1月10日発表した。アカモクに多く含まれるフコイダン、アルギン酸という2種類の食物繊維の予防効果は既に確認されていたが、アカモク自体を食べることで肥満や糖尿病の抑制に効果があると裏付けた。今後は、県産のアカモクを使った新商品の開発を目指していく。

 アカモクは粘り気が強い海藻で、秋田や山形など東北地方を中心に郷土料理として食べられている。県内では「ワカメの生育を妨げたり、船のスクリューに巻き付いたりして漁師にとって厄介な存在」(村上教授)で、大部分が捨てられているという。

 村上教授は昨年4月、坂井市三国町雄島で海女らがワカメ漁の際にアカモクを取り除く様子を見学。フコイダンやアルギン酸の含有量はワカメより多く、「アカモク自体が健康に効果があることを解明したい」と研究を始めた。県食品加工研究所や石川県立大と連携し、6月から3カ月間、アカモクを粉末状にしたものなど4種類の餌をマウスに与えて体重や内臓脂肪量、肝臓などの変化を比べた。

 高脂肪食を食べ続けたマウスの体重は、正常食のマウスと比べ2割増しになった。一方、高脂肪食に粉末状のアカモクを多く混ぜた餌のマウスは正常食のマウスとほぼ同等の体重に収まった。内臓脂肪量や肝機能のダメージ、空腹時の血糖値なども正常食のマウスに近く、アカモクは抗肥満作用や脂肪肝抑制、コレステロールの低下、抗糖尿病に効果があることを確認した。

 ふんの成分を分析すると、アカモクが多い餌のマウスは他の3種類に比べ中性脂肪や食物繊維の量が突出して多く村上教授は「アルギン酸とフコイダンが脂肪吸収を抑制し、排せつを促進した」と解析。アカモクには脂肪燃焼を促す成分「フコキサンチン」も含まれており、蓄積した脂肪の燃焼に作用しているかなど、さらに研究を深めて論文を発表する予定という。

 10日は永平寺町の県立大永平寺キャンパスで村上教授ら3人が研究成果を発表した。村上教授は今後は企業とも連携したいとし、県産アカモクを越前そばに練り込む、地場産野菜と組み合わるなどの構想を話し「福井オリジナルの商品や郷土料理の開発につながれば」と期待を示した。

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