高速増殖原型炉もんじゅ=福井県敦賀市

 廃炉作業中の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長は1月9日、2月から燃料取り出し作業を再開する意向を示した。「昨年はやっと前に進み出した。今年はさらにレベルを上げ、安全かつ着実に軌道に乗せたい」と意欲を見せた。

 同日、年頭あいさつで県庁を訪れ、杉本達治知事と面談。その後、記者団に今後の廃炉工程を説明した。

 作業は、冷却材の液体ナトリウムで満たされた「炉外燃料貯蔵槽」にある燃料174体のうち、130体を取り出す。洗浄してからステンレス製の缶に入れ、「燃料池」と呼ばれる水のプールに移送する。1日数体のペースで6月までに完了する計画。

 この作業を巡って、機構は当初、2018年度に100体を移送する計画だった。しかし、燃料のつかみ具の開閉異常といった設備の不具合が多発して作業の中断が相次ぎ、結局86体しか移送できなかった。児玉理事長は「考えられる手はすべて打ち、十分な対応はしている。何か起こった場合でも臨機応変できる態勢をとっていく」と強調した。

 面談で、杉本知事は「(18年度は)トラブル続きで私も非常に不安になった」と指摘。今回は約4カ月で130体を移す計画になっていることについて「同じ事を繰り返すようだと県民の信用を失う。気を引き締めてやってほしい」とくぎを刺した。

 燃料取り出しは、47年度まで続くとされる廃炉作業の第1段階で最大の関門。22年末までに、もんじゅの全530体の燃料を水プールへ移す計画となっている。19年9~10月には炉心から燃料100体を取り出し、貯蔵槽に移送する作業を終えた。

 このほか、廃炉作業中の新型転換炉ふげん(敦賀市)関連では、海外搬出する使用済み燃料の輸送容器製造について、1月中に設計に関する許認可申請を原子力規制委員会に行うことを明らかにした。

 児玉理事長は敦賀市役所も訪れ、渕上隆信市長と面談した。渕上市長は、もんじゅで燃料池への移送作業の安全確保とともに、1千人規模の雇用維持と廃炉への地元企業参入に協力を求めた。

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