代表的な地図アプリで観光地をルート検索した場合

 福井県内市町のコミュニティーバスや路線バスが、スマートフォンの地図アプリへの対応を進めている。福井市内は1月中にも、丹南も2020年内には主要アプリのルート検索でバス停の場所や到着時刻、料金などが表示されるようになる見込み。県外の観光客だけでなく、普段バスを利用しない市民にも便利になりそうで、関係者は「鉄道と違い地図に載っていないバスを“見える化”し、利用増のきっかけになれば」と期待している。

 例えばJR福井駅から一乗谷朝倉氏遺跡(福井市)までを代表的な地図アプリでルート検索すると、表示される結果は、車移動以外だと「徒歩2時間26分」。同じように朝倉氏遺跡から丸岡城(坂井市)までを検索すると「徒歩4時間8分」と表示される。

 実際には京福バス(福井市)が、福井駅から朝倉氏遺跡までを約20分で結ぶバスを運行。丸岡城へ向かう際も、福井駅に戻りバスを乗り継いで行くことができる。

 事業者や市町が進めているのは、こういったバスの路線や時刻表、停留所、運賃などのデータを、国が定めた標準的な仕様にまとめる作業。現在でも、一部の経路検索サイトや地図アプリでルートを調べられるが、標準的な仕様でデータをまとめることで、より幅広く対応できるという。

 県交通まちづくり課の調査によると、幅広い地図アプリへの対応が進んでいるのは、コミュニティーバスでは敦賀市と鯖江市のみ。嶺北北部をエリアとする京福バス、丹南を中心に福井市や嶺南をエリアとする福井鉄道(越前市)は未対応となっている。

 この対応が今年は大きく進む。京福バスは子会社も含め、全51路線の対応を1月中に終える見込み。同社は福井市内のコミュニティーバスも多く運行しており、市中心部を走る「すまいる」だけでなく日新、森田、酒生、岡保各地区のバスも対応させる。「特にすまいるは、30分に1本運行している時間帯もあり、県外客も便利に使えるのでは」と同社。坂井市などのコミュニティーバスも、同社の運行分は同様に対応させる計画だ。

 福井鉄道は年内に全16路線の対応を終える予定。越前市はコミュニティーバスの運行を同社に一部委託しており「アプリ対応の必要性は認識しており、事業者の動向を踏まえ検討を進めたい」とする。

 県は2023年春の北陸新幹線敦賀開業に向け、新幹線駅から各地の観光地までの2次交通の利便性向上に力を入れ、市町や事業者を後押ししている。対応が遅れている市町について「県外客の多い観光地への路線だけでも、早期に対応してもらえたら」と期待している。

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