【越山若水】映画「ローマの休日」などで知られる女優オードリー・ヘプバーン。今日でも人気が高く、福井市の西武福井店であすまで開かれている写真展でもファンを魅了しているようだ▼写真集の「オードリー・ファッション物語」(講談社)「評伝」(クレヴィス)など出版物は数多い。1953年のデビュー作が「ローマの休日」。新聞記者役グレゴリー・ペックと恋に落ちた欧州某国の王女アン役を演じて、アカデミー主演女優賞を獲得した▼王宮から抜け出し町の美容室で髪を短くした「ヘプバーンカット」は世界中で大流行した。代表作「ティファニーで朝食を」での黒のイブニングドレス姿は有名となり、高級ブランドメーカーのCMでの採用も多いという▼公開当時はハリウッド映画の黄金期でもあり、その影響力が大きかったろうが、写真展でもなお、時代を超えヘプバーンとそのファッションの発信力が強力であることを実感した。平野啓一郎さんの近著に「『カッコいい』とは何か」(講談社現代新書)がある。60年代以降に流行しながら、定義されていないカッコいいを追究している▼大づかみにカッコいいとは美しさなどしびれる快感を経験させてくれ、憧れを抱き同化、模擬願望を抱かせる存在。カッコいい人を求めるのは自分探しという。写真展をきっかけに思いを巡らせてみるが難題。今年の課題としよう。

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