2車線化工事が進む国道8号=福井県敦賀市本町1丁目から撮影

 福井県敦賀市中心部の国道8号で、4車線を2車線にする工事が進んでいる。2023年春の北陸新幹線敦賀開業を見据え、市は2車線化で生まれる歩行空間を敦賀駅と金ケ崎地区を結ぶ動線と位置付け、市内の回遊性を高めたい考え。さらに広場として使えるスペースを設け、市民主導のイベント開催など、にぎわい創出にも期待を寄せる。ただ、整備後の街並みの変化や活用方法を十分に描き切れていないのが現状で、市民からは「完成後のイメージが湧かない」「商店街に好影響があるのか」などの声も上がっている。

 ■難産だった事業化

 2車線化工事は、敦賀バイパスの供用により国道8号の交通量が減ることから、2005年度に国土交通省が歩行空間の検討と合わせて発表した。試験的に2車線化する社会実験を行うなどしたが、駐車場として使われている荷さばき場の減少をめぐって住民らと議論がまとまらなかった。国交省や市などは、2009年に有識者らによる検討委員会で答申を作成したが、住民らの同意を得られなかった。協議を続ける中、駐車可能数を同数とすることなどでようやく住民らの了承を得て2019年度の事業化に至った。

 2車線化するのは元町交差点から白銀交差点までの約900メートル区間。工事により、現在の荷さばき場と歩道を合わせた幅が4・5メートルから約6・8メートルに広がる。市は歩道を薄い山吹色のブロックで舗装するほか、街路樹24本を植栽するなどして景観を整備。気比神宮前と本町、白銀の各交差点付近にオープンカフェやイベントなど、広場として使えるスペースを設ける。

 ■期待と懸念

 生まれ変わる歩行空間について、本町1丁目商店街振興組合は「新たなスペースを活用して、商店街の利益につながるイベントを開きたい」と期待を膨らませる。

 一方、「完成しないと分からないこともある。工事の経過など、少しでも多くの情報を知りたい」と訴えた。本町2丁目商店街振興組合も「どんな変化が商店街に生まれるか、判然としない」と話す。

 住民らが利活用の方策を模索する中、まちづくりに取り組むNPO法人THAP(タップ)は「活用について行政と市民の話し合いの場があってもいい。行政に意見を伝える場がほしいし、多くの人を交えて考えていきたい」と話す。

 市は現在、商店街の協力を仰いだにぎわい創出イベントなどを考えているほか、市民へ活用について説明する場を設けたいという。市都市政策課の担当者は「敦賀駅と金ケ崎地区を結ぶ動線となる重要な空間。今後、工事前と変わる点について、資料にまとめてホームページなどで発信していきたい」と述べた。

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