酒席が増える年末年始。「いつまでおごればいいのか」と頭を抱える先輩もいる=12月、福井県福井市内

 年末年始で酒席が増えると、心配になるのが財布の中身。年上の男性ほど、その傾向が強いかもしれない。数人で行けば、先輩がおごることはしばしば。おごる側の中堅男性会社員からは「給料が伸びず正直つらい」といった声が聞かれる。20年前に比べると、給与額は全体的に減っているが、その下げ幅は30~40代が大きく、嘆きの声を裏付けている。

 ■先輩の教え

 福井県福井市の会社員、マサトさん(41)=仮名=は入社18年。おごられるよりおごる機会が増えてきた。入社後数年は、先輩から「今日おごった分は将来、後輩におごってやれ」と言われてきた。

 ただ給料は思ったほどに伸びない。「おごる負担は、昔より大きくないだろうか」。先輩の教え通り、涼しい顔をしておごってはいるものの、退職まで続くと思うと、気が気でない。

 「若い子が割り勘の半額以下になるように、多めに出す」と話すのは50代の県庁職員。支払額は「1万~2万円」だが、早い退庁を呼び掛ける働き方改革もあって飲みに行く回数は大幅に減ったという。

 一方、女性グループはどうか。福井市の女性保育士(48)は「端数を多めに払うぐらい」。ただ、旅行に行ったときは、30人以上いる職員全員に行き渡るようにお土産を買う。「菓子箱なら4~5箱、4千~5千円分」と話す。

 ■意識にずれ

 気前よくおごるのは男性に多いとみられるが、おごってもらった後輩たちは、感謝しているのだろうか。マサトさんは、後輩数人と出張に行ったとき、現地の名産を土産に持たせたことがある。一人当たり2千円。しかし、後輩からは「あざっす(ありがとうございます)」だけで、感謝の気持ちは伝わってこなかったという。

 SMBCコンシューマーファイナンスの18年のインターネット調査によると、30~40代が部下や後輩に抵抗感なくおごれる金額は千円は81・8%、2千円54・5%、3千円38・0%、4千円19・2%。

 一方、20代がおごってもらうときに抵抗を感じない金額は千円92・1%、2千円73・8%、3千円60・3%、4千円41・9%。金額によって両者の意識のずれがみられ、調査は「先輩が抵抗を感じず、後輩も恐縮しないバランスが取れた金額は2千円程度までのよう」としている。

 福井県立大学地域経済研究所の南保勝所長は「給料が伸びない中、お金の使い方は携帯電話サービスなど多様化している。年金不安で、貯蓄にシフトもしている。先輩がおごる金額は、年々減っているだろう」と分析する。

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