【ゆるパブ】しつこいLINE、親友でもブロック

 スマホ世代の友人関係の結び方などにスポットを当てたトークイベント「ゆるパブオフ会in若狭高校(福井県小浜市)」。前回の記事では、同校卒業生の若新雄純・慶応大学准教授の高校時代を振り返ったが、それは今の高校生との違いを鮮明にさせた。

⇒【前回】幽遊白書や刃牙がつないだ友人関係

■バラバラのカラオケ

 仲のいい友人でも、自分の好きな物を相手に無理強いしないし、相手に合わせる必要もないということはこれまで述べた通りだ。

 例えばカラオケ。若新さんの高校時代は友達みんなでCDを回し、同じ曲をみんなが知っていて、みんなが歌うことができた。今はどうか。3年生女子は言う。「全然違いますよ。一人一人違う歌歌います。私は普通の歌謡曲を歌うんですけど、もう一人の友だちは2次元の方の歌が好きで…」。

 熱烈にお薦めしてくる友達への対応も冷たいものだ。「お薦めの漫画とかyoutubeの動画とか面白いから見てってLINEとかで来るんですけど、毎日送ってきとって、面倒くさなってブロックしたんですよ。学校でその友達に『いっぱい送ってきたけど、一回も見てないし、面倒くさいからブロックしたったわ』って言ったら、『なんでやねん』みたいなって。それでも別に今、仲いいんで」と2年生男子は笑いながら話した。

 それを聞いた若新さんは驚きの表情。「あなたの趣味を受け入れませんでしたよ、ということと友情は関係ないっていうこと? 僕らの時代の価値観ではブロックしたら終わってたよ。間違いなく。絶対終わってましたよ、友だち関係。それは、お前とは付き合わないっていうメッセージでしたよね。『いらん!』なんて無理でしたよ」。同年代の先生も「いらないって言ったら、もう孤独が待ってる」とうなずいた。

 その背景について、1年生の男子は「違って当たり前が前提にある」と説明。「漫画でいったら、今たくさん出てるじゃないですか。いろんなジャンルとかもあるし、そもそも量が多い。だから、知らないだろうということが前提としてあるから、言っても知らないだろうなと思って話していて。でも知ってたら『やった―』みたいな感じ」と話した。インターネットやスマホの普及は、ライフスタイルだけでなく、対人関係についても影響を及ぼしていた。

■掃除サボっても腹立たない

 バラバラであってもイライラしないという傾向は学校でも見られるようだ。そう思わせたのは先生の生徒への素朴な質問。「最近思うんやけど、学校で掃除せんやつをなんで許せるの? 自分はめっちゃマジメにするのに、サボってるやつを『あいつはしてないやろ』って思わないのか疑問なんやけど。あいつサボってるの叱ってよって言われたこともないし…」。

 1年生の男子はこう答えた。「はじめは『なんやこいつ』って思っても、なんか思っているうちに、これで俺が怒ってもこの人が直るわけでもないし、怒っとる俺が損みたいな感じで、そいつはそういうものだっていうので、放っておく。でも掃除する俺は偉い、みたいな」。自らと同じ態度であることを相手に期待しないのが今風のようだ。

 「みんなが一緒かどうかは別にして、あいつはあいつでせんやつなんや、俺は俺でやってるからいいやん、みたいな。あいつがこの音楽を好きやと思わんのはあいつやからやと、私はこの音楽が好きだというのと同じ」とは若新さんの洞察。2年生の男子は「確かに協調性はないですね。例えば、5時に集合とかいって5時に集まったことがない。6時半に来ても別に怒らんし。遅れた人も申し訳ないと思って来てない」と話、自虐的に世代観を語った。もちろん、今の世代すべてがそうだとは思わないが、ちょっと41歳の私にはついていけない気がした。

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 この記事は11月18日に福井県立若狭高校で開いたトークイベントの詳細をシリーズで紹介します。次回は1月7日に「福井新聞ONLINE」で掲載します。

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