テロ対策施設の完成遅れで、2020年中に運転を停止する可能性がある高浜3、4号機(手前)=2019年9月、福井県高浜町田ノ浦(ヘリから撮影)

 関西電力は12月26日、高浜原発3、4号機(福井県高浜町)について、国が設置を義務づけているテロ対策施設が期限までに完成できないと判断し、それぞれ期限を迎える来年8月と10月に、原子炉を停止する方針を固めた。工期短縮を図っているが、「完了時期は未定」としている。

 ⇒使用済みMOX燃料高浜3号取り出しへ

 関電は4月、再稼働済みを含む県内7基でテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の完成が遅れると公表。設置期限の延長を求めたが、原子力規制委員会は6月、期限日の約1週間前までに完成していない原発について、電力会社に運転停止命令を出すことを決めた。

 規制委の決定を受け、九州電力は10月に川内原発1、2号機(鹿児島県)の一時停止を発表した。高浜3、4号機は2例目となる。

 高浜3、4号機とも特重施設の完成は、設置期限を約1年遅れる見通しとなっている。高浜1、2号機の期限は21年6月で約2年半、21年10月の美浜3号機は約1年半遅れる。22年8月が期限の大飯3、4号機は約1年超過する見込み。

 高浜3、4号機が運転を停止した場合、石炭や液化天然ガス(LNG)を燃やす火力発電で代替することになる。関電は毎月約80億円のコスト増になると試算しており、経営への打撃は必至。影響を抑えるため、工期短縮を図るなど、停止期間を少しでも短くできないか検討している。

 特重施設は13年施行の新規制基準で設置が義務付けられた。関電は施設工事費を高浜2227億円、美浜517億円、大飯1507億円と見込んでいる。

関連記事