【論説】来夏、小浜市長の改選期を迎える。現職の松崎晃治氏は12日の市会一般質問で4選出馬の意向を表明した。過去3回は無投票だった。またもや論戦がなければ市民は立候補者の志を深く知ることができず、地域の課題と向き合う機会は失われる。行政への関心も薄くなる。今回は市民が古里の将来を考え、未来を誰に託すかといった選択ができる機会になるだろうか。

 小浜にとって重要な4年を託すことになる。

 松崎市長は在任中の一番大きな取り組み成果として北陸新幹線小浜・京都ルートの決定を挙げる。「小浜市の未来を明るく照らす希望の光であり、必ずや市民の幸せな暮らしを実現するまたとないチャンス」。切れ目ない着工を実現するには「一番大事なとき」と、新幹線開業を見据えたまちづくりに道筋をつけていくことも重要との認識だ。

 京都と19分でつながる時代が来る。新幹線開業を見据えることが全てに優先すべきことではないが、市民が魅力あるまちづくりを考えるきっかけになる。それだけに市政を預かる者にはビジョンが求められる。

 課題は少なくない。市が進める「食のまちづくり」はほころびがみえてきている。子どもたちの食を支える小中学校の給食調理員が人手不足に直面。現場の負担は大きく、メニューへの影響も出始めているが、解決策は見いだせていない。

 市の計画に観光客の回遊性向上を目指す「3駅構想」がある。3駅はまちの駅(白鬚)、道の駅(和久里)、海の駅(川崎1~3丁目)。まちの駅には明治時代の芝居小屋を移築、復元した「旭座」があり、民間の指定管理者が落語や音楽イベントなどを積極的に企画。しかし「イベントがないときは静まりかえっている」と周辺住民。道の駅、海の駅が集客力を高めている一方で、「まち歩きの拠点」へは道半ばだ。

 若狭と滋賀県湖北を結ぶ「琵琶湖若狭湾快速鉄道」(リゾート新線)は建設促進運動が中止になり、嶺南6市町と県が積み立てた基金約81億円の具体的な使い道が課題になっている。運動再開を望む声が一部ある中で、どう対応するか。市内12地区で開催された「市長と語る夢トーク」は、市民らの要望を厳しい財政状況を理由に聞き置く程度。市民は課題解決への展望を描けにくくなっている。

 今春の統一地方選の後半戦では86市長選のうち、27市で無投票となり、無投票の割合は31・4%。全国的になり手不足が顕著。小浜でも今のところ対抗馬の動きは表面化していない。

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