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『天使のいる図書館』 奈良を舞台にした新人司書の成長物語  

(2017年2月14日午後1時57分)

(C)2017「天使のいる図書館」製作委員会 (C)2017「天使のいる図書館」製作委員会


 奈良県の葛城地域観光協議会協力の下、現地でオールロケした“ご当地映画”だ。だが観光映画に陥ることなく、風景や土地の空気感をしっかりと映画の魅力として取り込んでいる。神主の娘ながらリケジョで物事を合理的にしか判断できない新人司書が、レファレンスサービスという人と関わる仕事に戸惑いながら、ある老婦人との交流を通じて成長していく話だ。

 主人公に関して言えば、いくらカリカチュアしているとはいえ、今の時代であればもはや性格というより発達障害と診断されそうなキャラクターなのに、「ズレてる」という表現で注意して対人関係の非常識を諭す上司や職場には強い違和感を覚える。けれども、そんなヒロインの成長ものというテーマの背後に、図書館=優れた物語の宝庫が舞台であることを生かした“フィクション論”という裏テーマを忍ばせている点は高く評価したい。

 監督は『リュウグウノツカイ』の新鋭ウエダアツシ。まだまだ粗削りながら、例えば突然降り出す雨や桜の花びらの色などからは、映画らしさへのこだわりが感じ取れるし、何より自分らしい映画を撮るんだという野心に好感を覚える。それが顕著に現れたのが、音楽に乗せて主人公の努力がコラージュされていく紋切り型の演出を逆手に取ったシーンだろう。主人公の未来に思いをはせつつ、監督の成長も見守りたくなった。★★★☆☆(外山真也)

監督:ウエダアツシ

出演:小芝風花、横浜流星、香川京子

奈良県先行公開中、2月18日(土)から全国順次公開

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