福井県の総合ニュースサイト


全国の速報

全国のニュース

『全部、言っちゃうね。 本名・清水富美加、今日、出家しまする。』千眼美子著 どうか笑顔で  

(2017年3月17日午後1時32分)

   


 果たして根も葉もないのか、それとも火のない所になんとやらか。出版が発表されて以降、あれよあれよとスキャンダラスな報道がされて「おや? もしや、宣言してるわりに(ダジャレじゃないよ)全部言っちゃってないんじゃね?」疑惑が浮上してしまった清水富美加こと千眼美子。そんな噂の新刊を読んでみました。

 本書は彼女の生い立ちから芸能界に入るいきさつ、下積み時代から出家まで、清水富美加のこれまでの経験とこれからの夢が書かれたエッセーだ。内気だった幼少時代、それでもモーニング娘。になりたかったこと、友達の悪口を本人に聞かれて後悔したこと、好きな男の子がバレて周りからからかわれたこと、それで中学生になって突如モテだしたこと、調子に乗ってダンス部に入ったこと……。決して特殊なわけではない女の子の、ごくありふれたエピソードが並んでいる。

 なぜこの本が気になったかというと、突然の出家という衝撃的な展開で湧いた好奇心はもちろんだけど、世間の反応に対する違和感があったから。「洗脳されてる」とか「ヤバい方に行っちゃった」とか言われてるけど、でも私は芸能界のことも幸福の科学のことも知らない。だから世間が「清水富美加、あっちからそっちに行っちゃってヤバい」って言うけど、実は「あっち」の方がヤバい可能性だってある。どっちがヤバいかはわからないし、どっちも別にヤバくない可能性だってある。それを、何も情報を得ようとしないまま判断したくなかったから。

 読んでみて思ったのは、芸能界や幸福の科学が白か黒かグレーかはこの本だけでは判断できないけど、清水富美加という女の子にとって芸能界は、ただただ合わない場所だったんだろうな、ということ。それで体も心もおかしくなって、自殺願望が芽生えて、なんとか思いとどまりながら、それでもしなくちゃいけない仕事なんて、この世界にひとつもない。そう私は思ってる。だから幸福の科学の人たちが「今すぐ辞めよう」って言ってくれたのには賛成です。いてくれてよかったね、って思う。

 で、宗教ですが……これはもう、別にいいじゃん、て感じ。本人の自由だし、大川隆法の守護霊シリーズはパラパラと立ち読みしては(ごめんなさい)不思議だなーこれ女優とかに許可取ってるのかなーとは思ってたけど、そもそも私とあなたが信じるものが一緒である必要は一切ないわけだし。その教団がどこであれ、芸能界であれ、いたい場所にいて、信じたいものを信じて、それでいいじゃんね。

 本書の中で印象的だったのが、彼女がまだ芸能界にいた頃、ロケバスの中でマネージャーに、自分が信者であることをカミングアウトしたというエピソード。その話をしていると、同乗していたスタッフが「突然『私、創価学会なんです』と信仰告白」してきたという。

 「やっぱ、言えないですよねえ」「偏見ありますもんね」「嫌われてるのわかってるじゃないですか」「ですよね」……2人はそれから「宗教あるある」で盛り上がったそうだ。

 「バラエティ番組でそういうのがあったらおもしろくないですか?」そう語る千眼。幸福の科学信者や、創価学会信者、その他の宗教の信者がひな壇に座り、無神論者が司会をする……。もしかして、彼女は悲しいのかな。自分が大切にしているものを尊重してくれない、差別的な目で見る世間に傷付いているのかな。もしそうなら、そりゃみんなとやかく言うよ。別にそれは幸福の科学信者だけじゃなくて、日常的なことで言えば未婚既婚とか子あり子なしとかさ、自分と違う道を選んだ人を否定したり攻撃したりしがちだよ。それでも、自分も受け入れられることを望むのであれば、みんながそれぞれ自分らしく生きる世界を望むのであれば、その一歩として、神様を信じていない人ともまあ、ゆるやかに共存できたらいいのかなって思ったよ。この本の中であなたは「本来はやっぱり神様を信じなきゃダメだと思う。」って言ってたけどさ。

 てなわけで千眼美子!これからは笑顔で、元気でいられたらいいね。

(幸福の科学出版 1200円+税)=アリー・マントワネット

関連記事

powered by weblio


福井のジャンル

福井新聞ご購読のお申し込み D刊お申し込み

ニュースランキング

弔電サービス「わたっくす」

ぷりん

福井新聞文化センター 風の森倶楽部


[ スマホ版はこちら ]

〒910-8552 福井県福井市大和田2丁目801番地

TEL:0776-57-5111

本ページに掲載の記事・写真などの一切の無断掲載を禁じます。