30年のドラマ|第34回 福井マラソン


「創りませんか あなたのドラマ」 第34回福井マラソン


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30年のドラマ
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第30回 2007年10月7日出走  

30回目の県都疾走
福井マラソン
5590人 秋晴れに汗


 第30回記念福井マラソン(福井新聞社、福井市、福井陸上競技協会主催、特別協賛・富士通)は七日、福井市中央公園近くのフェニックス通りをスタート、福井運動公園をゴールとする日本陸連公認コースで行われた。記念大会とあり、10年ぶりに5000人を超える県内外の5590人(オープン参加含む)が出場。秋晴れの下、思い思いのペースで県都の目抜き通りを駆け抜けた。

 福井マラソンは1978年に”産声”を上げて以来、「創(つく)りませんか あなたのドラマ」をキャッチフレーズに歩みを重ね、日本海側最大規模の市民マラソンとして定着。今大会で30年間の参加者は延べ14万1827人となった。
 市中央公園で行われた開会式では、大会長の宮川隆治・福井陸協会長が開会宣言。名誉大会長の吉田哲也・福井新聞社長が「福井マラソンが30回を迎えることができたのは、ランナーをはじめ大会を支えていただいた関係者のおかげ。ランナー同士交流を深めてもらい、楽しく記録を目指して頑張ってほしい」とあいさつした。
 旭信昭副知事らもランナーを激励。選手を代表して福井マラソン30回連続出場者の一人、柏木寛さん(68)=福井市=が「日ごろの練習の成果を発揮し、全員がゴールを目指して完走します」と力強く宣誓した。
 大会は1082人が出場したハーフ(21・0975キロ)、1322人の10キロ、3186人の5キロの3コース計29部門で行われ、午前9時半のハーフ公認を皮切りに、5キロ、10キロと続いた。スタート時の気温は24・2度。汗ばむ陽気の中、ランナーたちは沿道の市民から声援を受けて力走。5キロに出場したゲストランナーの千葉真子さんは笑顔を振りまき、ランナーと親ぼくを深めた。









   

ご協力感謝申し上げます
第30回福井マラソン


 第30回記念福井マラソンは7日、県内外から大勢のマラソン愛好者に参加いただき、盛況のうちに終了いたしました。
 ランナーの安全確保、円滑な走行にご尽力いただいた警察官や交通指導員の方々、さらに競技運営にご協力くださいましたボランティアをはじめ関係者の皆さまにお礼申し上げます。
 また、交通規制にご理解とご協力をいただきました交通機関および利用者、市民の皆さま、沿道で声援を送ってくださった方々にも心より感謝申し上げます。
 福井新聞社、福井市、福井陸上競技協会

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千葉さんトーク 走者に勇気
「ベストスマイルでゴールを」
福井・握手会も
30回記念福井マラソン きょう号砲


 第30回記念福井マラソン(福井新聞社、福井市、福井陸協主催、特別協賛・富士通)は七日、福井市中央公園近くのフェニックス通りをスタート、福井運動公園をゴールとする日本陸連公認コースで行われる。六日は出走受け付けを開始、5キロに出場するゲストランナーの千葉真子さんによるトークショーと握手会が行われたほかコースチェックや会場設営なども入念に進められ、号砲を待つばかりとなった。


 六日の出走受け付けは福井運動公園であり、ハーフ、10キロ、5キロの計29部門にエントリーした6167人のうち、3031人が手続きを済ませ、ゼッケンなどを受け取った。オープン参加の受け付けも行われ、21人が登録、5キロに挑戦する。
 同公園で行われた千葉さんのトークショーと握手会には、出走受け付けに訪れたランナーや市民が詰め掛けた。千葉さんはマラソンの魅力について「自分を輝かせてくれる」と強調。大会を目前にしたランナーに「5キロには5キロ、ハーフにはハーフにしか味わえない楽しさがある。ベストスマイルでゴールしてください」と笑顔でエールを送った。
 千葉さんは、二○○三年の世界選手権(パリ)女子マラソンで獲得した銅メダルを披露、観客はメダルに触れて”世界の重み”を実感した様子だった。
 七日の出走受け付けと手荷物預かりは午前7時半から同9時まで、市中央公園で行う。開会式は午前8時50分から同公園であり、同9時半のハーフを皮切りに、5キロ、10キロの順に出走する。運動公園では、千葉さんが同十一時ごろから約一時間、握手会を行うほか、ランナーの写真を入れたオリジナル新聞「マイ号外」(有料)を発行する。
 選手や応援する家族らのために、シャトルバス(有料)を運行。レース前は、運動公園発市中央公園行きが午前7時から同8時半まで。市中央公園発運動公園行きが同7時20分から同8時45分まで。レース後は、運動公園発JR福井駅前行きが午前10時50分から午後1時まで運行。いずれも臨時駐車場の福井競輪場を経由する。
 コース周辺は、車両の交通規制や電車、バスのダイヤ変更がある。

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快走ガイド

<1>
コース一部改良

 
第30回記念福井マラソン(福井新聞社、福井市、福井陸協主催、特別協賛・富士通)は七日、福井市中央公園近くのフェニックス通りをスタート、福井運動公園をゴールとする日本陸連公認コースで行われる。ハーフ、10キロ、5キロの3コース計29部門に県内外から6167人がエントリー。記念大会を前に、コースやスタート・ゴール地点での注意点や交通規制などを紹介する。
                                  コース図はこちらから→

 ■幸橋は両車線通行可
 スタートから約400メートル付近にある幸橋は工事のため昨年は片側通行だったが、今大会は両車線の通行が可能。ランナーはフェニックス通りをそのまま南進する。

 ■折り返し2カ所に
 ハーフコースは今回、本堂町付近で一部を改良、より道幅を広くするため農道をコースから除外し、折り返し地点をもう1カ所設けた。他のコースは同じ。スタート時刻は昨年と同様で午前9時半のハーフを皮切りに、5キロが同9時45分、10キロが同10時。
 10キロ、ハーフの給水・スポンジポイントは計6カ所。5キロ、6・5キロ、10キロ、15キロ地点に給水所、12・5キロと17・5キロ地点にスポンジポイントを設置する。

 ■打ち切り
 制限時間は、5キロ50分、10キロ1時間40分、ハーフ2時間25分。明らかに制限時間内にゴールできないとみられるランナーは時間制限があるチェックポイントで競技打ち切りとする。ハーフは16キロ地点で午前11時半、18・3キロ地点で同11時40分に、10キロは7・3キロ地点で同11時40分に競技を打ち切り、バスに乗車してもらう。

 ■400人が警備
 今年も警察官や市交通指導員ら総勢400人がコースの確保と警備に当たる。ボランティア団体「REM」が自動体外除細動器(AED)を携えコース上で待機するなど救護態勢を整えている。

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スタート
靴にチップ必ず装着

 
スタート前の最重要ポイントは、ゼッケンを付け、計測用発信機のRCチップをシューズに装着すること。チップを手に持ったり、ポケットに入れたりすると正確にタイムを計測することができない。
 スタートラインでは、記録を狙うランナーは前へ、マイペースで楽しむランナーは後ろに並ぶ。号砲後はカラーコーンで仕切った電車軌道内には入らず、路面に敷いてあるタイム計測用のマット上を通過する。

 ■オープン参加可
 大会当日の出走受け付けは午前7時半から同9時まで、開会式会場の福井市中央公園で行う。大会前日の六日は午前10時半から午後5時まで、福井運動公園で。エントリーカードを提出し、ナンバーカード(ゼッケン)とRCチップ、プログラム、参加賞を受け取る。
 昨年同様、前日エントリーによる5キロのオープン参加が可能。今年は最大150人を募集する。順位はつかず、表彰対象からは除外されるが、名前とタイムを記した完走証と参加賞がもらえる。前日出走受付場所で参加料一般3000円、中高生1500円が必要。先着順。

 ■シャトルバス
 今回、福井競輪場に臨時駐車場を設けたため、スタートとゴールを結ぶシャトルバスは全便、同競輪場を経由する。ランナー以外に、家族ら応援する人も利用できる。スタート前は運動公園正面―市中央公園間を運行。運動公園正面発が午前7時―同8時半、市中央公園発が同7時20分―同8時45分。大人200円、中高生100円、小学生以下無料。

 ■手荷物預かり
 当日午前7時半から同9時まで、市中央公園預かり所で無料で受け付ける。1人1個まで。郵送されている荷札にナンバーと名前を明記して荷物にしっかりと付ける。ゴール後に福井運動公園の手荷物渡し所で返却する。貴重品は預からない。更衣室は旧県民会館に設ける。

 ■千葉さんアドバイス
 午前8時20分から市中央公園でアトラクションがあり、ゲストランナーの千葉真子さんによるランニングワンポイントアドバイスやエアロビ体操などを行う。開会式の後、ランナーはスタート地点に移動する。

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<3>
ゴール
立ち止まらず進行を

 
ゴールは福井運動公園。正門を抜けたら、係員の誘導に従い、中央分離帯の左側を走りゲートへ向かう。ハーフ、10キロ、5キロすべて同じレーン。タイムと順位は、ゲート内に敷いたマットが各ランナーのシューズに付けたRCチップを読み取り、計測する。ゴール後は後続ランナーの障害にならないよう、立ち止まらずに奥の広いスペースへと進む。

 ■完走証は1時まで
 順位付き完走証は、当日午前10時15分ごろから午後1時まで、同公園内県営体育館前の噴水広場で発行する。完走証には▽号砲からゴールまでの公式タイム▽RCチップで計測する実走時間▽各ランナーが申込書に記入した目標タイム▽男女別の総合順位▽昨年完走者には前回大会タイム―を表記する。

 ■表彰と抽選会
 成績は噴水前に掲示板を設置して速報。場内アナウンスでも発表する。記録がまとまり次第、陸上競技場前の特設ステージで各部門の10位までを表彰する。ただし、10キロ男子10歳代、5キロ女子中学生、女子チーム対抗の3部門は5位までの表彰。
 完走したランナーにはゴール後、無料ドリンクとお楽しみ抽選会の券を配る。三角くじでコメや温泉宿泊券、ディナー券などが当たる。

 ■千葉さんが握手会
 ゲストランナーの千葉真子さんは5キロに出走、ゴール後は午前11時ごろから握手会を行う。会場では第1回から第29回までの福井マラソンの歩みを振り返る写真展も開く。

 ■手荷物の返却
 午後1時まで県営球場北側で本人に返却する。スムーズな受け渡しのため、ゼッケンを着けたまま受け取りにいく方がよい。

 ■シャトルバス
 レース後も運行。午前10時50分から午後1時まで、同公園テニスコート付近からJR福井駅前へ随時向かう。臨時駐車場の福井競輪場を経由する。大人200円、中高生100円、小学生以下無料。

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交通規制
電車、バス ダイヤ変更

当日はコース周辺道路の交通規制や電車、バスのダイヤ変更があり、注意が必要。

■交通規制
 大会の状況によって規制時間が前後する場合がある。現場では警察官が交通整理を行う。概要は次の通り(かっこ内は全面通行止め時間帯)。
 ▽フェニックス通り(午前8時45分―同10時25分)=図中(1) 裁判所前交差点―大名町交差点、福井市中央公園―ワシントンホテル前通り
 ▽フェニックス通り(午前9時5分―同10時25分)=図中(2) 大名町交差点―新木田交差点
 ▽公園通り(午前9時20分―同10時40分)=図中(3) 新木田交差点―渕町交差点
 ▽西環状線〜県道殿下・福井線(午前9時35分―正午)=図中(4) 渕町交差点―運動公園東側道路―飯塚交差点―福井市スポーツ公園
 ▽県道殿下・福井線(午前9時50分―同11時40分)=図中(5) 福井市スポーツ公園―北堀町―本堂町

■ダイヤ変更
 【福鉄福武線・下り】▽武生新発田原町行き 8時10分発普通は市役所前止まり、8時27分発急行、8時40分、9時、9時20分、9時40分発普通は福井新止まり。
 【同・上り】▽田原町発武生新行き 田原町8時47分、9時7分、9時27分、9時47分、10時7分発の普通はそれぞれ田原町―福井新間を運休。福井新9時14分、9時34分、9時54分、10時14分、10時34分発になる。
 【福鉄路線バス麻生津線】▽上杉の木台9時半発福井駅前行きは運休▽上杉の木台9時56分発福井駅前行きは9時58分発に変更▽福井駅前10時10分発上杉の木台行きは運休。
 【同福浦線】▽かれい崎7時発田原町行きは福井駅前止まり▽かれい崎8時発田原町行きは赤十字病院止まり。
 【京福バス】午前8時半から正午まで、次の路線で一部運休またはう回運行する。
 学園線、運動公園線、幾久新田塚線、丸岡線、東郷線、池田線、西安居線、大野線、心臓センター町屋線、西田中宿堂線、大学病院線、清水山線、織田線、グリーンハイツ線、西大味線、生部線、フレンドリーバス
 【コミュニティーバスすまいる】始発から正午まで、次の路線の一部でう回運行する。
 ▽田原・文京方面(北コース)、照手・足羽方面(西コース)、木田・板垣方面(南コース)、城東・日之出方面(東コース) 
=おわり=

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6167人エントリー 13年ぶり6000人超

 10月7日に行われる第30回記念福井マラソン(福井新聞社、福井市、福井陸協主催、特別協賛・富士通)の参加申し込み結果が18日まとまった。エントリー総数は6167人で、13年ぶりに6000人を突破した。
 大会は、福井市のフェニックス通りをスタート、福井運動公園をゴールに、ハーフ(21・0975キロ)、10キロ、5キロの日本陸連公認コースで男女別、年代別、チーム対抗の計29部門で行う。
 エントリーの内訳は男子4709人、女子1458人。県外勢は36都道府県の1378人だった。種目別では5キロの3497人が最多。10キロは1452人、ハーフは公認、一般合わせて1218人。上位4人の合計タイムで競うチーム対抗戦には男子80チーム、女子16チームが挑む。
 出走受け付けは、大会前日の6日が午前10時半から午後5時まで福井運動公園で、当日の7日は午前7時半から同9時まで福井市中央公園で行う。表彰対象外のオープン参加は5キロのみで6日に受け付ける。先着150人。参加費は一般3000円、中・高校生1500円。
 開会式は7日午前8時50分から同公園であり、同9時半にハーフ公認がスタート。続いて同一般、5キロ、10キロの順に出走する。ゲストランナーの千葉真子さんは5キロに出場する。大会は雨天決行。
 問い合わせは同マラソン大会事務局=電話0776(57)5180。

 女子部門増設とコース変更 大会はハーフ(21・0975キロ)、10キロ、5キロの日本陸連公認コースで男女別、年代別、チーム対抗の計29部門で実施。女子の部門が2つ増えた。女子10キロは前回までの「30歳以上」を「30・40歳代」と「50歳以上」に、同5キロは「40歳以上」を「40歳代」と「50歳以上」に分け、上位入賞のチャンスが高まった。ハーフコースは一部を変更、道幅が広くなり、より走りやすくした。

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30回目のドラマ 福井マラソン記念大会を前に

 日本海側最大規模の福井マラソンは今年で30回の節目を迎える。「創(つく)りませんか、あなたのドラマ」をキャッチフレーズに、これまで多くの市民ランナーが県都を駆け抜けた。今回はどのようなドラマが待っているのか。10月7日の号砲を前に、走る楽しさや福井マラソンの魅力にスポットを当てる。

< 1 >
ゲストランナー 千葉真子さん
来月7日 市民とともに


 中学3年の冬、京都府宇治市の駅伝大会に”助っ人”として出場した。メンバーが足りず「たまたま誘われた」のが、15年に及ぶ競技人生の始まりだった。次第に走る楽しさ、喜びにのめり込んでいく。全国高校駅伝では17人のごぼう抜き。そして「マラソンが走りたいから」と、実業団の名門旭化成の門をたたいた。スピードランナーとして開花、全国にその名をとどろかせていった。
 千葉真子さん(31)は、1万メートルで1996年アトランタ五輪5位、97年世界選手権3位となり、同選手権トラック種目で日本に初のメダルをもたらした。マラソンでは2003年世界選手権銅メダル。輝かしい戦績を挙げてきた。ただ「どんな結果にも満足することはなかった。うれしいことはうれしいけど、競技者でいるかぎりはまだ上があるから。また次頑張ろうという気持ちでずっとやってきた」。
 一線を退き、少しだけ見方が変わった。大阪市で先に開かれた世界陸上の「アスリートキャスター」の立場から各種目を眺め「世界で3番ってすごいかもしれない」と。

5キロの部出走 千葉さん
感動共有「鳥肌もの」


 千葉真子さん(31)の苦い思い出は、2004年1月に行われたアテネ五輪代表選考会の大阪国際女子マラソン。無念の2位となり、五輪補欠に。「ゴールした後、頭の中が真っ白になってしまった。小出監督(佐倉AC代表)を五輪に連れて行けなくて。高橋(尚子)さんもダメで…。みんなで五輪に行きたかった」
 それでも「自分の人生の主役は自分。人生を大切にしよう」と吹っ切った。05年2月。「競技人生の集大成として、自分の考えと計画で競技をやってみたい」。その「新たな挑戦」に向け、佐倉ACから独立した。引退レースとなった06年8月の北海道マラソンは、けがで走れる状態ではなかったが「次のステージ(第2の人生)に進むために、はってでも走りきろうと思った」。モットーの「ベストスマイル」で競技人生のゴールテープを切った。
 「チームメートや友人、大会役員、ボランティアの皆さんと42・195キロという距離、時間を共有し、感動を分かち合えるのは鳥肌ものです」。マラソンの魅力をこう表現する。
   ◆   ◆
 レースを続けてきて思うことがある。「目標があってよかった。目標は苦しいときに私を支えてくれた」「人として強くなれたし、優しい心や豊かな心をはぐくむことができた。市民ランナーの方も、性格が前向きになり心も体も元気になれるんじゃないかな」
 現在は、全国各地の市民マラソン大会に出場してランナーと交流を深めたり、地元の京都府宇治市で初心者向けランニング教室を企画したりと幅広く活動している。「自分がベストスマイルでゴールするために今まで多くの人からサポートしていただいたので、今度は皆さんのベストスマイルをサポートしたい」
 福井マラソン記念大会では5キロの部に出走する。「走る一人一人が主役。自分らしく、自分のペースで命を輝かそう」。”ちばちゃん”は、おなじみのトーンの高い声で、出場者に熱いエールを送る。


< 2 >
連続出場 生きた証し
耳が不自由な熊野さん(鯖江)


 ファイルには29枚のゼッケンと完走証。ゼッケンは洗濯しアイロン掛けしてあるため、第1回大会の「2127」番は今でも輝きを失わない。特注品の額の中には過去の出場記念メダルがぎっしり。大会プログラム、新聞記事も大切に保管している。「僕の生きた証しです」。熊野毅さん(48)=鯖江市住吉町1丁目=は今年、福井マラソン30回連続出場を果たす。
 熊野さんは1900グラムの未熟児で生まれ、幼いころから耳が不自由。しかし体を動かすのが好きで、鯖江中時代に校内マラソン大会で上位入賞し、走る楽しさに引き込まれた。福井マラソンとの出合いは、第1回大会開催を知らせる福井新聞の記事。「挑戦してみよう」。ちょっとした好奇心が連続出場のスタートとなり、以来、熊野さんの秋の”恒例行事”となった。
   ◆   ◆
 「生きているから走る。生きるために走る」。福井マラソン以外にも県内外の市民マラソン大会に出場、通算293回を数える。1992年には国内有数の長距離マラソン大会「サロマ湖100キロマラソン」(北海道)に挑み、見事完走した。
 各大会にはマイカーで1人で出掛ける。大会運営関係者やランナーとの意思疎通に不安はない。相手が手話を知らなくても「身ぶり手ぶり、心で通じ合えます」。障害者、健常者を問わず、マラソンを通じての友人は自然と増えてくる。
 熊野さんをよく知る周囲の人物評は「強い心を持ち、弱音を吐かない。思いやりもある」。3年前まで、会社勤めから帰宅した後、毎晩約1時間、雨が降ろうが雪が降ろうが街中を走っていた。第28回大会では、病気で亡くなったマラソン仲間の遺影を掲げて共に走った。
   ◆   ◆
 記念大会は10キロの部に出場する。「昔はタイムが気になり、1秒でも速く走りたかったけど、今は楽しんで完走することが目標」という。「いろんな人たちと出会える楽しさがある。何よりのストレス解消法」
 出場記念メダルを納める額は、30枚を入れてまだ、たっぷりの余裕がある。「体力の続くかぎり生きているかぎり、福井マラソンに出場します」。記念メダルはあと何枚飾られることになるだろう。


< 3 >
楽しく走るお手伝い
ランナーの給水、ケア


 「秋の西安居路を楽しく走って、いい思い出をつくってほしい。そのお手伝い」。福井市西安居地区の安居体育振興会は20年前からコース上の給水・スポンジ受け渡し所を担当、ランナーの心とのどを潤している。会長の清水幸男さん(57)=羽坂町=が「ボランティアの意識はなく、ランナーをお迎えするという気持ちで取り組んでいる」と話すように、同会では給水ボランティア活動を「福井マラソン歓迎事業」と呼ぶ。地域住民の温かい心が、大会を支える原動力の一つだ。
 紙コップに次々と水を注ぎ「頑張れ」と声援。投げ捨てられたコップを黙々と拾い集める。「ホースで頭から水を掛けてくれと頼むランナーもいましたわ」と清水さん。全国のトップランナーの走りを間近に見られることも福井マラソンの楽しみだという。
 今年も30人のメンバーがハーフコースの給水・スポンジポイント計4カ所に立つ。当日の配置や水を提供してもらう民家へのお願いなど準備に余念がない。
   ◆   ◆
 レース前とゴール後、ランナーにストレッチやテーピング、アイシングを施す。「楽になったよ」と声を掛けてくれるのが、東谷孝一さん(48)=福井市新保2丁目=にとって一番の喜び。
 県柔道整復師会は1998年から大会ボランティアに携わり、健康面でランナーを支えている。責任者の東谷さんは「ダメージを受けた筋肉はすぐにケアすれば、翌日に響かない」。今では約300人のランナーがテントに駆け込んでくる。
 東谷さんは今年、ランナーとして初めて福井マラソンに出場、責任者を別のメンバーに任せることにした。「市街地のど真ん中を一度走ってみたかった。楽しませてもらいます」。ランナーへの治療は例年通り。息つく間がない思い出深い大会になりそうだ。
 記念大会には6000人を超えるランナーがエントリーした。サポートする大会運営関係者は約1000人。一人一人が30回目のドラマを刻む。


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